今日も気付けばあの赤を追っている
彼の周りだけ何故か輝くの

(きらきら、してる)

マネージャーの仕事も慣れてきた
流川くんのテーピングを終えたとき、彼女の声が聞こえる

「桜木くん」

「晴子さん!頑張りますから見てて下さい!!」

「うん」

二人のやり取りを聞いていると、胸がざわざわする
晴子ちゃん、毎日来なくてもいいのに
そこまで思ってブンブンと首を振る

あたし最低だ
そんなこと思うなんて
どうしてこんな嫌な奴になっちゃうんだろう

ふうと息を付いた

ざわざわ
ざわざわ
嫌な気持ちで、自分が押しつぶされそうだ

いつもあなたの隣にはあの子なの
それを見て、またざわざわするの

「如月さん、ツキユビした」

「テーピングするね」

彼に向かって笑えば、彼も笑ってくれる
だけどその笑顔はあたしだけに向けられることはない

当たり前だよ
何で不満に思うの

ああ
自分の気持ちが分からない
自分を知るって難しい

それでも思うの
あなたの笑顔があたしだけのものになればいい






20100105

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