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「如月さん」
「あ、先生に呼ばれてるんだった」
「おい」
「やっば、食券売り切れちゃう」
「…オイ」
「ぐー」
「…寝てんのか…」
(早くどっか行ってくれ!)
そんなこんなで彼を避けまくって、一週間が経った
昼休みに部室に入る
ここが一番見つかんない
あたしは昼食を広げた
ボールを見つけて、何の気なしに手を伸ばす
ぐっ…
背伸びしてみるが
「…ん?」
案外高い
棚の一番上なんだけど
「そりゃキャプテンなら、取れるかもしんないけどぉっ!」
ぴょんぴょん飛び跳ねてみるが効果なし
結構背は高い方だと思うんだけど
「もう、ちょい」
ひょい
横から伸びた手がボールをつかむ
「あ!」
誰かと思って振り向く
もうちょっとで取れそうだったのにっ
誰よー
「…っ桜木くん」
「…よう」
20100216
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