今日も優しい声に起こされる

視界に捉えた顔に、オレは頬が緩むのを感じた

「おはよう」

「おはよう、綱吉くん」

いつものように彼女と共に朝食をとる

彼女の食事は母さんと同じくらい美味しくて

「いってらっしゃい」

彼女を見送ってから机に向かう

数日前に結さんと勉強を始めてから、彼女が学校に行ってる間に前日の復習をするのが習慣になった

ノートを開き、昨日の出来を見る

見事に×ばかりだ

ノートの新しいページを開いて、問題を解き始める

やはりすぐ詰まってしまった

オレはノートに挟んだ紙を見る

結さんがヒントや解説を書いてくれた紙だ

彼女らしい綺麗な字で、要点をまとめてある

それを見ながら問題と格闘した

一段落つくと、時計の針は1時を差していた

勉強にこんなに集中できるなんて

昼食を温めながら、ぼんやりと思う

以前のオレなら考えられない

だって彼女はオレを馬鹿にしない

まっすぐに向き合って、対等に扱ってくれる

オレという存在を認めてくれる

そしてそんな彼女に惹かれている自分にも気付いていた

彼女の優しさにふれる度に、気持ちが膨らんでいく

そりゃ、結さんにとったらオレなんか年下の子どもかもしれないけど

こっちの世界に何の身寄りもないオレを世話してくれるとか

そんなの関係なく、彼女という人間に、女性に、惹かれているのだ

レンジの音で思考から浮き上がった






カリカリ

ペンが動く音が響く

「出来たっ」

得意気に見せるのは、今解き終えたばかりの問題

昨日の類題だったから、やり方は分かった

あと心配なのは計算ミスくらいだが

「うん、正解。ちゃんと復習の効果が出てるね」

正解すると、彼女は頭を撫でてくれる

子どもみたいに思うかもしれないけど、オレはそれが好きだった

そして今日も彼女と笑い合うんだ






20091126

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