机に座り、ノートと教科書を開く

その前に座り宿題に取りかかる

綱吉くんがノートを覗き込んだ

「それ、宿題?」

「ん?まーね」

話ながらもペンは止まらない

「高校って難しそうだね…」

顔を上げると綱吉くんはさも嫌そうな顔をしていた

そうだ

「ちょっと待ってて」

自分の部屋で目的の物を見つけると、すぐに戻る

「はい」

「はいって…」

手渡した物を綱吉は受け取ろうとしない

「綱吉くん勉強苦手でしょ?こっちでやることないし、勉強しよーか」

中1の教科書と新しいノートを無理矢理持たせる

「ここからここまでね」

言いながらふと思う

彼の世界ではどこまで物語は進んでいるのだろう

「綱吉くん、家庭教師とかいた?」

「あ〜、うん。一応」

この反応ならリボーンは既に来ているだろう

なら、ある程度は出来るかな

綱吉くんが机に座るのを横目に見て、教科書に意識を戻した







ペンを置いて首を回す

「結さん終わったの?」

「ん。綱吉くんは?」

すると綱吉くんは目を逸らした

あたしは立ち上がって横からノートを見る

「1問も終わってないね」

あたしは綱吉くんの隣に座った

「ノート見せてね」

綱吉くんは渋々ノートを隠すように置いていた腕をどけた

(きっと結さんもオレがダメダメだって分かったら、馬鹿にするんだろうな)

あたしはノートに残ってる計算を見る

「ここからどうしたらいいか分からなくなったの?」

「…うん」

「ふーん」

しばらく計算式を見て、あたしは首を傾げた

「うん、ここまでは合ってるよ。でもこの式が違うんだよね。ん〜…、あ」

あたしは声を上げて式の一箇所を指差した

「ここ、プラスとマイナス間違ってる」

「え?…あ」

「ね?じゃ、続きやってみて」

綱吉くんの腕が動く

あたしは本を読みながら、終わるのを待った

「あ、出来た…?」

綱吉くんの呟きが聞こえて、本から顔を上げる

「どれ?…ん、合ってる。さっきのとこ間違えなかったら出来てたんじゃない。惜しかったね」

いたずらっぽく笑って綱吉くんを見ると、ぽかんとしている

「綱吉くん?」

「…え?」

ようやく我に返ったようだ

しかし、まだ信じられないというような顔をしている

「君は正解したんだよ。やるじゃん」

あたしの言葉に綱吉くんが驚く

「ま、他はボロボロだけどね」

その言葉も聞こえていないように、綱吉は顔を輝かせた

その様子があまりにも可愛くて

あたしは綱吉くんの頭をポンと撫でる

「今日は遅いし、もう寝よーか」

そう言って微笑んだ






20091126

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