抗争は終わろうとしていた

ボンゴレの勝利だ

敵のボスも捕らえた

なのに君はオレの腕の中で弱っていく

「救護班はどうした?!」

「人手が足りねえ」

リボーンの答えに唇を噛む

「十代目!」

隼人が駆け寄る

結を見て眉を顰める

「おい結!何してんだよ!治せんだろ?!オレにしたみたいに!」

何のことかは分からないが、隼人は結に怒鳴りつけた

「…ははっ…ねんりょ、う…ぎれ……な、んだ……」

隼人が俯く

隼人もリボーンも部下に呼ばれ、渋々離れていく

「…どうして、笑うんだよ。死にかけてるんだぞ……」

結はまた笑う

手を伸ばしオレの頬に触れた

「…ば、か……何で…君が………泣く、の……」

オレは泣いていた

涙なんていつぶりだろう

「あたし、が……わら、う………の、は…きみを……まも…れ、た…から」

途切れ途切れの声

そんな事を言う君が死のうとしている

「嫌だ、死ぬな」

顔が歪む

「好き。好きなんだ。だから死ぬな」

「……うん…しっ、てる」

「好きだ、結…」

オレは彼女の唇に口付けた

唇を離して彼女を見る

「…へたく、そ……」

そう言って、彼女は消えた

オレの腕の中から

最初からいなかったかのように

まさか、元の世界に帰った?

あの怪我だ

まず助からない

こんな、時に

「結…っ!」








20091212

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