ある日ヴァリアー本部にリボーンくんがやって来た

「遂にぶつかるぞ。奴らと全面抗争だ」

それだけで分かった

今ボンゴレと敵対する最大のマフィア

チヴェッタファミリー

暗殺専門の戦闘ファミリーだ

彼らとぶつかる

それがどれほどのものか、あたしには想像も付かなかった

だけどこれだけは分かる

綱吉くんが傷つけられ、傷付ける

また彼が心を痛める

自分から突き放しておいて、何を考えているのか

「直にお前等にも応援要請が来る。準備しておけ」

リボーンくんが帰ってから、あたしはザンザスの元に向かった

「ザンザス」

「却下だ」

「…まだ何も言ってないんだけど」

ザンザスが呆れたように見る

「どうせ行かせろとか、そんな事だろ」

彼の言葉にみんながこちらを見る

「そうだよ。行かせて」

真っ直ぐに彼を見る

分かってる

彼があたしの事を思って言ってくれていること

周りのみんなも反対だってこと

「…あたしは、ボンゴレリングの守護者なの。ボンゴレの為に戦う義務がある」

「例えそうだとしても、てめえなんか役に立たねえ」

「立つよ。あたしの力は怪我を治す。戦場では重要な能力。違う?」

「!…それでもだ」

彼に理屈は通じない

受け入れてくれない

「彼の、綱吉くんの傍に行かせて」

あたしの本当の理由

あたしの本音

ザンザスの眉間に皺が寄る

「…言っておくが、てめえを守ってる余裕なんざねえ。数の上では負けてんだ」

だが質ではこちらが上

「当然。自分の身くらい守れる」

ザンザスは背を向けた

「行くぞ」

掛けられた言葉に笑みを浮かべる

あたし達は向かった

抗争の真っ只中に









20091212

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