頭の傍の携帯のバイブで目が覚める

バイブを止め、体を起こした

「ん〜」

大きく伸びをして立ち上がる

シャワーを浴びて制服に着替え、タオルを首に掛けたまま台所に立つ

朝食ができあがった頃に自分の部屋へと向かった

軽くノック

返事がないので一声掛けて扉を開く

「綱吉くん、朝だぞー」

声を掛けてみるが熟睡している

肩を揺すると少し眉を顰めた

「母さん、もうちょっと…」

「はいはい。母さんじゃないし、さっさと起きる」

すると彼はようやく体を起こす

そしてあたしと目が合うと、その眠たげな目はみるみるうちに開いていく

「わっ、すみません結さん!!」

「やーっと起きたね。朝食出来てるよ」

彼が起きたのを確認すると、あたしはすたすたとダイニングに戻る

綱吉くんは恐る恐ると言ったように入ってきた

「おはよう。そこ、君の席」

自分の前を指差し、綱吉くんを促す

彼が座ると、あたしは朝食を食べ始めた

「あ、あの」

「大した物じゃないけど遠慮しないで食べて。お腹空いてるでしょ」

言いながらも手と口を動かす

「じゃ、いただきます…」

彼が呟くのを見て、あたしはきょとんとした

「あぁそっか。『いただきます』」

既に食べ始めていたが、手を合わせて呟く

綱吉くんは不思議そうな顔をした

「いつも一人だからさ、何もしないで食べ始めちゃうんだ」

それに気付いて笑いかける





昨日彼がマンガ、リボーンの沢田綱吉だと分かったとき、説明はした

あたしはマンガを持っていなかったが、パソコンでの検索結果を見せると、一応納得はしたようだ

いや、認めたと言った所か

自分の置かれた状況に戸惑っていると言った方が正しい

そんな彼に寝るように言って、こうして朝を迎えたと言うわけだ







「じゃあ学校行ってくるけど、とりあえず今日はうちから出ないでね。夕方には帰るから。昼食は電子レンジに入れてるから、温めて食べて」

コクコクと頷く綱吉くんを見て微笑む

そのまま出て行きかけて、気付いたように振り返った

「行ってきます」

「あ、いってらっしゃい」

返ってきた言葉に頬が緩む

あたしは上機嫌で学校に向かった






20091125

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