「ボンゴレの一員にして下さい」

あたしの言葉に二人は、やはりか、と言う顔をした

「そろそろ言ってくる頃だろうと思ってたよ。意志は堅いんだね?」

あたしは黙って頷いた

「…認められない」

「どうしてっ?!」

リボーンくんの視線があたしを射抜いた

「…君に、人を殺す覚悟はあるか?」

綱吉くんの静かな声

それはあたしの返答を遅らせた

「それ、は…」

「甘いんだ、君は。いくら意志が堅かろうが覚悟のない人はいらない」

彼の言葉は正論だ

だからこそ言い返せない

「ここにいる人達は死ぬかもしれないって覚悟と、誰かを殺す覚悟を持ってる。全員だ」

「あたし、は」

「もういい。即答できない時点で君は覚悟が足りない。話はそれだけ?なら戻って」

ギリッ

あたしは歯を食いしばった

「…失礼、しました」

部屋を出て、走って部屋に戻る

言われたことよりも、自分の覚悟のなさに腹が立った

あたしの決意はなんてちっぽけなんだ







「いいのか?嫌われちまうかもしれねえぞ」

ツナが結の事を好きなのは周知の事実だ

だからこそ今の彼の態度はあまりにも冷たかった

確かにこいつの言い分は正論だが、言い方ってものがあるだろう

「いい。1回フられてるし」

そう言う割にこいつの顔はひどく歪んでいた

「…あいつの手を汚させたくない、か?」

何も言わない

つまり図星なのだろう

「最近あいつに近付かないのも、それが理由か」

「…彼女はオレを真っ直ぐだって、綺麗なままだって思ってる。違うのに。本当はこの手だって血で汚れでいるのに」

ツナは苦しそうに言う

「そんな手で彼女に触れる資格なんて、ないんじゃないかって。オレの汚れた手を知れば、もうあの笑顔を向けてはくれないんじゃないかって。不安なんだ」

いつも部下を前にして、悠然としているツナはどこにもいなかった

ここにいるのは、大事な恋にひどく臆病になる一人の男

ドカッ

「馬鹿が。それを知って軽蔑するならいい女じゃねえ。そんな女ならさっさと諦めろ。あいつはそんな下らない奴か?」

ツナの背中を蹴りながら言う

「そんなことない。だけど」

「うじうじしてんじゃねえ。男なら当たって砕けろ」

それだけ言うとオレはツナの部屋を後にした

この後どうするかは本人達次第だ

他人が口出す事じゃねえだろう

「全く、世話の焼ける教え子だ」

オレは溜め息をついた









20091208

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