朝起きて顔を洗い着替える

朝食はボンゴレの食堂で食べる

ほとんどの構成員が住み込みだ

「おはよう、結」

「今日もはえーな」

顔馴染みとなった構成員達に手を挙げて返しながら、テーブルに着く

欠伸をかみ殺しながら食事をつついていると、隣に誰かが座った

「ランボくんおはよー」

「おはようございます」

敬語じゃなくていいと言ったのに、彼は相変わらずだ

「今日も鍛錬ですか?」

「いや、今日は恭弥くん。朝なら時間空いてるって」

話しながらも、食べる手は休めない

「あぁ。それにしてもよりによって雲雀さんを選ぶなんて…。他の人ならもっと優しいだろうに」

そう、あたしが護身術を教わる相手に選んだのは恭弥くん

「優しかったら意味ないでしょ。恭弥くんが一番容赦ないから」

「相変わらず自分に厳しいですね。オレも時間ある時はお相手しますよ」

「その時はお願いするよ」

そして食事が終わる

「んじゃお先。行ってくる」

食器を返し、恭弥くんと待ち合わせている鍛錬所に急ぐ

着いた時には、恭弥くんが既に待っていた

「遅いよ、どれだけ僕を待たせる気?」

「珍しいね。まだ約束の10分前だよ」

あたしは目を丸くする

いつもは時間丁度に来るのに

「今日は早く目が覚めたからね。それよりさっさと始めるよ」

恭弥くんがトンファーを手に向かってくる

あたしは構え、最小限の動きで避ける

「ふうん。半年前に比べたら随分マシじゃない?」

「半年前は痣だらけにされてたからね」

あたしが欲しいのは守る力

誰かを守るなんて大それた事は出来ないから、せめて足手纏いにならないように自分を守る力

恭弥くんとの鍛錬は取り敢えず避ける事

隙あらば攻撃したいとは思うけど

やっぱり女と男じゃ体力が違う

避けてるばかりじゃいずれやられる

そうする内に30分が経とうとしていた

恭弥くんの腕がすぐ横を通る

反射的にあたしはその腕をつかみ、恭弥くんの向かってくる勢いのまま、膝蹴りを入れた

ドンッ

残念ながらもう片方のトンファーで防がれてしまう

しかし恭弥くんは楽しそうな笑みを浮かべた

ピピピピピピ

タイマーの音が響く

「時間か」

恭弥くんが残念そうに呟いた

同時に草壁くんが恭弥くんを迎えに来る

「ありがとう、恭弥くん」

そう言うと彼はちらっとあたしを見て、ボソッと呟いた

「最後のは悪くなかった」

めったに聞けない彼の褒め言葉に目を丸くする

それから笑みを浮かべた









部屋に戻りシャワーで汗を流す

シャワーから出てツナと遊びながら、ボールを触る

もう随分バスケをやってない

そう言えば武くんも野球は止めたようだった

後悔はしていない

あたしはバスケをやめてでも決めた事があった

ボンゴレの役に立ちたい

命の恩人であるボンゴレに、綱吉くんたちに、恩返しがしたい

あたしは部屋を出て、目的の場所へ向かう

半年前は決意は固まってなかった

だけど今ならちゃんと言える

ノックをして名前を言う

「如月結です」

「入れ」

扉を開き、部屋に足を踏み入れた

あたしをボンゴレの一員として認めてもらいたい

あたしは部屋の中の二人、綱吉くんとリボーンくんを真っ直ぐに見つめた









20091208

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