何で?

何で綱吉くんがいるの?

「おいツナ。どういうことだ」

黒い帽子を被った人が問う

「前にも言ったことあるだろ?違う世界に行ったって。この人がその時オレを住ませてくれた人」

綱吉くんの言葉をみんながすんなりと受け入れる

よっぽど信頼されてる証拠だ

「けど計算合わなくねーか?ツナの5個上だったんだろ?あの子オレらの5個上には見えねーけど」

短髪の男の人が首を傾げた

確かに綱吉くん達は、どう見てもあたしより年上に見える

「結さんは今何歳?」

「20…だけど」

「オレが23だから、時間の進み方が違ったのかな」

訳が分からない

どういうこと?

「えっとつまり、ここは綱吉くんたちの世界…?」

混乱する頭で状況を何とか判断する

「そういう事になるね。あの時みたいにオレが世話してあげたいとは思うんだけど…」

「…マフィアだから一般人であるあたしに住む許可は与えられない」

「頭は悪くねえようだ。あのツナに勉強させたって聞いたからどんな女かと思っていたが…おもしれえな」

この人はきっとリボーン

他の人たちも見た事ある

「かと言って見捨てるわけにもいかないし、住む場所と戸籍くらいは手配できるけど」

「充分だよ。あとは自分で何とかするから。ありがとう綱吉くん」

そう言って微笑んだ

「おいてめぇ。さっきから十代目に馴れ馴れしいんだよ」

不良のような風貌の男が睨む

「よせ隼人」

「ですが!」

綱吉くんが視線で獄寺を黙らせる

「結さん気にしないで。みんな話はさっきので終わり。解散」

綱吉くんの言葉で各自動き出す

「結さん、今後の事もあるし少し話そうか」

綱吉くんと話した後、あたしは取り敢えず手配が終わるまではここに住むことになった

リボーンさんに部屋まで案内してもらう

「ありがとうございます。あ、ちょっといいですか?」

振り返るリボーンさんに、首に掛けてたネックレスを渡す

綱吉くんが忘れていった指輪に、チェーンを通したものだ

「これ、綱吉くんが忘れていったんです。返しておいてもらえますか?」

「オレを使おうとはいい度胸だな」

リボーンさんはフッと笑う

「場所教えてもらえれば、自分で行きますが」

その時綱吉くんが来た

「どこに行くって?」

「おいお前、運が良かったな」

リボーンさんは指輪を綱吉くんに渡すと、歩いて行った

「あ、リボーンさんありがとうございました。綱吉くん、それ忘れていったでしょ」

指輪を差して苦笑する

「ほんとだ…。全然気付いてなかった」

彼も同じ様に笑い、あたしの手をつかむと指輪を握らせた

「綱吉くん?」

首を傾げると、彼は微笑む

「あげるよ」

その笑みがあまりにも綺麗で

「綱吉くん、成長したね。女慣れしてる」

照れ隠しにそんな事を言った

「そんな事ないよ。結さんも綺麗になった」

「いいよ、お世辞なんか」

ネックレスを再び着ける

「いつも着けてくれてたの?」

「おまじないなの。奇跡が起きるおまじない」

あなたと会えたのは奇跡でしょう?

「実際、こうして起きたでしょ」

あたしは笑った

「立ち話もなんだし、入る?」

「じゃ、お邪魔させてもらうね」

綱吉くんが入ってから、押さえていた扉を放す

一つだけあるソファに二人とも座る

「ねえ、綱吉くん。なんで、忘れてなんて言ったの?」

別れの時

君が言ったこと

「あぁ、それはね、オレの事で煩わせたくなかったから。結さん、泣きそうな顔してたでしょう?」

からかうように言う綱吉くんに笑う

「そんな時に気を使わなくていいのに」

それから、何となく無言の時が流れる

だけど気まずくはなくて

すっと綱吉くんの手があたしの頬に触れる

「綱吉…くん」

「黙って」

ゆっくりと近付いてくる顔

あと少しで唇が触れるそんな時

「にゃぁぁああ」

バックの中からの声にあたしは立ち上がった

「忘れてたっ」

慌ててバックに駆け寄り、開ける

飛び出してきたツナは、だいぶご機嫌斜めねようだ

置いてきぼりを食らった綱吉くんはぽかんとしていたが、ツナを見ると目を丸くした

「え、ツナ?」

ツナはその声に反応し、綱吉くんの膝に飛び乗った

「やっぱり覚えてるんだね」

「そうなのか、ツナ?」

綱吉くんの問いに答えるように「みゃあ」と鳴く

その後は綱吉くんに呼び出しが掛かり、彼は行ってしまった

ボフッ

ベッドに寝そべり、片手で顔を覆う

あのままだったらキス、してたよね

思い出すだけで顔が熱くなる

だってすごく背も伸びて、かっこよくなってるから

…一体どういうつもりなんだろ






20091206

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