あれから二年

あたしは二十歳になった

大学は海外

でも親が住んでるのとは違うところ

イタリアだ

彼の影響がないと言えば嘘になる

だけどこれはあたしが決めた事

彼に言われて気付いた

あたしは誰かがいるからと、いたい場所を選んできた

だけどそれは寂しいから

あたし自身が何をしたいか、どこに行きたいかなんて考えたこともなかった

今でも一人暮らしだが、前ほど寂しさは感じていないと思う

世界は色や音で溢れているし、ツナも一緒だ

リボーンはあれ以来読んでいない

人として彼を知ってしまった後は、読む気になれなかった

あたしは今バスケットボールを入れたスポーツバックを背負い、大学に向かっていた

…おかしい

バックが動いてる気がする

道の端に寄り、ジッパーを開けると、中からツナが出てきた

「わっ、何で入ってるの?!」

あわててもう一度閉じる

『大学に着いたら出してあげるから、ちょっと我慢してて』

小声でツナに言うと、早足で大学に向かった

フラッ

目眩がして壁に手を付く

(なんか、体調悪い…?)

ひどくなっていく頭痛

暗くなる視界

一度目を閉じて痛みに耐えた

突然すうっと痛みが引き、目を開ける

「…え?」

目に入ったのはどこかの部屋

え、部屋って何?

街中歩いてたはず

そこには人がいて、一様にあたしの方を見ている

「君は…」

誰かが言いかけた時、風を切る音がして反射的に横に跳ぶ

「ワオ。やるね。でも…侵入者は排除」

トンファーを持った人が向かってくる

「え、ちょ、待っ」

返事も待たず向かってくるその人の攻撃に、避けようとした時

「やめろ、恭弥」

その言葉と同時に雲雀の動きが止まる

「どういうつもり、綱吉」

つな…よし…?

ゆっくりと声の方を振り返る

「会えると思ってなかった。久し振り、結さん」

そこには以前と変わらず笑う、綱吉くんがいた






20091206

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