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(設定はRe:RIDEですが見てなくても読めるはず)










旅館の大きな窓から外を眺めると、箱根の温泉街の景色が一望できる。
いい天気だし、いい眺め。暫く来ていなかったような気もするけど、最後に来たのは1年前かそこらだから対して久しぶりでもないのかな。
急に、東堂庵に招待されるものだから何事かと思ったけれど。まあ、悪い気はしない。
着替えた浴衣姿で畳の香りをより近くで堪能する。つまりは寝転がっている。嗅ぎ慣れた匂いがなんとなく落ち着くなあ。携帯電話に手を伸ばしたところで、襖の向こうから聞き飽きた声が掛かった。


***


先週の土曜日だった。その日は寮で、アニソンをPCから流しつつも勉強に励んでいた。少し音量を小さくして、聞こえるか聞こえないかの瀬戸際にするといいって、何かで見た気がする。シャープペンをくるくると指で回しながら次の数式に手をつけようとした途端、携帯の着信が鳴った。表示されている名前を見れば、見慣れた幼馴染の名前だ。大した用でもないのに電話をしてくるのは彼の癖のようなものだから、スルーしようと放っておいたのだが、着信音は鳴り止まない。朝起きた時のアラームの音量設定のままの携帯電話はそれはもう煩くて、仕方なく通話ボタンを押して耳に当てる。

「やっと出てくれたか! 俺、尽八〜!」

「いいよそれ、もう。っていうか、今勉強してたんだけど」

「それは良いことだ! 勉学に励むのが学生の本分だからな」

「そうじゃなくてさあ。何か用があるならメールでもいいんだけどな」

人の話を聞いているのかいないのか、わたしの言葉は綺麗に躱されていく。電話の向こうの相手にも聞こえるように、敢えて少し露骨にため息をついてみせる。すると、やっぱりというか、すぐに謝罪が飛んできた。

「ああ、すまんすまん。邪魔をする気はなかったのだ」

「うん、まあ。それはわかってるよ。それで、何か電話じゃないとダメな用でもあった?」

「ちょっとな、お誘いだよ。来週の土日の予定は空いているか?」

来週の土日。今月の最終週の週末か。机の上に置いて置いた手帳を開いて確認する。
こう見えてスケジュール帳に色々書き込んでおくタイプなので、こういう時に携帯で話をしながらでも確認できるのは便利だ。友人と買い物に行くのがその次の週だから……ああ、丁度空いていた。予定が入らなければひとりでどこかに出掛けようと思っていたけれど、幼馴染に何か案があるのなら、乗ろうじゃないか。

「うん、空いてる。どっか行く?」

「ああ、よかった。そうだな、どこか行こう。俺が決めておくから、登は何も心配しなくていいからな。じゃあ、また追って連絡するぞ!」

そう、一息で言い放ったと思ったら勝手に電話は切れていた。なんだか少し急いでいた気がするけど、気のせいかしら。
とはいえ、予定が決まったので、スケジュール帳には記しておこう。尽八くんが色々と決めてくれるなら、わたしは何も考えなくても良いから楽だなあ。
足を組み替えて、なんと無しに指でパラパラと紙を捲った。あんなことやそんなことが書かれていて、たまに見返すとちょっと面白い。ああ、インターハイからも、1ヶ月くらい経つんだなあとか、……そういえば最近全然、会えてないなあ、とか。
まあ、仕方ない。でも、恋人が別の高校なのはちょっと難儀なものだ。会うのは必然的に休みの日になるから制服デートとか、出来ないし。ちょっと憧れてた。尽八くんとは制服のまましょっちゅうどこかしら行くけど、違う、そうじゃないってなるし。もちろんわたしの彼の個性的な私服姿も嫌いではない。彼にしか絶対似合わないなあって思いながら、照れ屋で外では手も繋げない彼氏とデートするのは楽しい。
最近は今後の準備とかで忙しいようで、なかなか会う機会が減っている。事情は分かっているから、ワガママも言えない。勿論メールもする。するけど、返信は3通に1回くらいだし、まず1日にメールを5往復もしたら多いほうだ。電話は……たまに掛かってくるけど、尽八くんとの方がしてるんじゃないかって気がする。あれ、わたし大丈夫だろうか。
今更ながら、予定を入れてしまったばかりの来週、彼氏の予定を訊いて、もし大丈夫ならそれでデートをした方がわたしの精神状態が休まったんじゃなかろうか。
現に今日勉強をしていたのも、何もしていないと色々考えこんでしまうからだ。紛らわせようとなるべく頭をつかう数学を選んでいたが、思わぬ電話で結局こっちの思考に戻ってきてしまった。
ああ、ダメだダメだ。こんな調子じゃ今年の秋からどうするってんだ。
3ヶ月前まで遡ったところで、手帳をぽいっと机の端に放ってシャープペンを手に取る。ノックしようと思ったら、プツン、と痛みが親指に。逆に持ってた。
もう、ほんと馬鹿だなあ、と自己嫌悪に陥りつつも解こうとしていた数式へと目を落として、ふと思い出す。
そういえば、来週の土曜日の日付って。あ、尚更、彼氏に声をかけるべきだった。いやしかし、彼はそういうのが苦手なタイプのような気もする。気が付かないほうがよかったんじゃないか?
迷走の渦に落っこちたわたしは、結局そのあと数学に手を付けることなくその日を終えた。


***


あの日のわたしは十面相しながらひとりで机に向かっていたんだろうなと思うと笑えてくる。勿論乾いた笑いだ。
今となっては、後の祭りであそこまで悩んでいたのが阿呆らしい。

「おい、登? 聞こえているなら返事をしてくれ」

「ああ、ごめんごめん。めっちゃ聞こえてる」

襖の向こうからわたしを呼ぶ声の主は、ここへ招いた張本人だ。なんでまた、急に実家に連れてきてくれたのかはわからないが、ここの温泉は好きなのでよしとする。今日も既に1度入ってきたから、心なしか身体からは独特ないい香りがしている気がする。
ゴロゴロと転がっていたせいで浴衣は若干乱れていたが、まあ相手はかつて一緒にお風呂にも入っていた幼馴染なので、大して気にも留めず襖を開けると、明るい声が飛んでくる。

「ほうら、登! 連れてきたぞ!」

「はい?」

「……よ、ヨォ……元気してたか」

その人物は後ろ頭を掻き掻き、尽八くんの後ろからスルリと現れる。
いつ見ても派手な髪色と、細長い手足。特徴的な黒子と、笑みを作ろうとすると引き攣る口元。今も引き攣っている。いつもと違うところといえば、浴衣姿と、ポニーテールのようにアップにした髪だ。

「ま、」

わたしが彼の名前を呼ぼうと口を開き、息を吸い込んだ瞬間、わたしの胸の辺りにぼふん、と鈍く物があたる感覚。それはどうやら布のようで、一部が跳ねって顔にもあたる。

「いった! なに!?」

「ばっばっばばっばかもの! 男の前にそんな格好で出てくるやつがあるか!」

「は?」

「巻ちゃんも困っているではないか!!」

尽八くんが投げつけてきたものに強打した自分の鼻を押さえながら、その布の塊を見てみるとどうやら旅館の法被だ。珍しいな、コレを尽八くんが着てるの。
ってそうじゃないか。見上げれば、確かに巻島くんがそこにいて、少し赤らめた顔を逸らしていた。
はっ。なるほど。そういえば尽八くんしか居ないと思っていたから浴衣が着崩れたままだった。こっそり、わたしにしか見えないように丸まった法被をどかすと、胸元がばーんと開いてしまっていた。もちろん中にキャミソールは着ているんだけど、彼ら的にはアウトだったらしい。全く、尽八くんもいつもなら「おい登、女としてその格好はどうなのだ? いくら俺が幼馴染といえど多少の恥じらいは持ってほしいものだな」とか、説教じみたことをつらつら並べてきて鬱陶しいくらいなんだけど。わたしの彼氏が同伴したら、コレか。気を遣ってくれているのは嬉しいような。それでもここまで差が出るのはすごいな。本気で焦ってたし。
とりあえず、ちょっと待ってね。と襖を一旦閉じる。実は、居ないと思っていた巻島くんがいたので、驚いて結構ドキドキしていたはずなんだけれども、尽八くんが急に法被を投げつけてくるものだから、そっちにびっくりして心臓がバクバクしているもんなのか、どっちかわからなくなってしまった。なんでいるんだろう。尽八くんが気を回してくれたのかな。
彼氏に久々に会うっていうのに、身だしなみをきちんとしていないわたしもわたしだが、母親の如く指摘を注いでくる尽八くんも尽八くんだ。流石というか、なんというか。
結局自分の浴衣はきちんと直すのも面倒だったからそこそこに襟を直して、床の間に畳んで積んである宿泊客用の茶羽織に腕を通した。ついでに幼馴染が投げつけてきた法被を適当に皺を伸ばして手にひっかけて、再び襖を開ける。

「はい、ごめんね」

「おお、ガードが固くなったな。よしよし」

「お前は登のなんなんショ、東堂……」

わたしから法被を受け取った尽八くんは、巻島くんから軽く突っ込まれながらもこちらに小さく目配せする。
やっぱり、わたしをここに誘ってくれたのは彼に会わせるためだったらしい。

「今日はな、俺が特別に巻ちゃんとメガネくんをここに招待したのだ。さっきまで風呂に入っていたんだが……」

「小野田が逆上せたんで、部屋に戻ってきたショ……そしたら東堂が、登が居るとか言い出すもんだからよ……」

終始ハキハキと語る尽八くんとは対照的に、後半にいくにつれてもごもごと、聞き取りにくい小さな声になっていく巻島くん。なるほど、どうやらインターハイ後の慰安旅行のようなものに招待されていたらしい。メンツ的に、クライマーが揃ったのかな。真波くんがいないけど。それよりも気になることがひとつ。

「逆上せたって、坂道くん大丈夫? 見にいこうかな」

部屋の外にでるべくスリッパを履こうと一歩前に出ると、肩を押し返されて阻止をされた。かわいい従兄弟が心配だというのにそれを止められたので、わたしは若干憤った表情になっていたようだ。それを諌めるべく、ふたりが同時に口を開く。珍しいこともあるもんだ。

「あ〜大丈夫だ、大丈夫! メガネくんなら、俺がきちんと看ておくから! 水もきちんと飲ませたから!そうだよな、巻ちゃん!」

「ああ、少し湯あたりしただけだ……しばらくすりゃ、元通りになるって」

な? と、巻島くんがわたしへ向かって困った顔で少しだけ笑い、首をかしげた。それはずるいと思う。今度はちゃんと、引き攣ってない笑顔だし。

「じゃあ、まあ……あとで、会いに行こうかな」

「そうしろ、そうしろ! じゃあな、巻ちゃんはメガネくんが落ち着くまで、登と語り合っているといい!」

わたしを言いくるめたと見たら、尽八くんは巻島くんの後ろへサッと移動して肩をひとつ叩くと、ハイトーンの笑い声と共に、あっという間に退散していった。
残された方といえば、ええ?ああ? とか零しながら困惑した様子でそわそわしている。ごめんね巻島くん、大体尽八くんのせいだね。

「まあ、巻島くん。立ってるのもなんだし」

「あ、あー……そうだな。邪魔するショ」

「わたしの部屋ってわけでもないんだけどね」

どうぞ、と促すと俯きがちに部屋へ上がってくる巻島くん。元々1人だけで泊まる予定のこの部屋はそこまで広くはないが、2人で座って話すには十分すぎる程のスペースがある。なので別に隣に来る必要もなかったのだが、彼は態々わたしの横に座布団を持ってきて、遠慮がちに座る。
どこか挙動不審に見えるのは、慌ただしかったせいなのか、はたまた別の理由があるのか、そこは計り知れない。でも、いつも二人きりの時はもうちょっとリラックスしていてくれているような気がしたんだけど、どうしたのかな。

「その、……久しぶり、っショ」

「会うのは久しぶりかもね。しかも尽八くんの実家だし」

「あー、何かと思ったショ……まあ、登に会えたからいいけどな」

照れくさそうに顎に手を当てて、こちらを見ないでそう呟く。ちらっと視線が合ったので笑いかけてみれば、色白い頬がほんのり赤く染まる。相変わらず、すぐ照れるんだから。
こんな調子のわたしたちは、今をときめく高校生だというのにまだ手を繋ぐところまでしか進んでいない。それについても、二人だけで居る時限定だ。
たまにはもう少し積極的になってくれてもいいのになあ、と考えていたら、ずりずりと畳と擦れる音を立てつつ、座布団に乗っかったままでこちらに寄ってきた。

「ど、どした?」

「いや……その、なんとなく。もうちょい近くに行きたかった……ショ」

わたしがきょとんとしているのを見て、深い意味はねぇよと手を顔の前でひらひらさせているが、やっぱり顔は赤い。なんか、いつもと違う。
しかし、彼は何かと詮索されるのが嫌いな性分だ。あえて触れずにいよう。もしかすると、何か言いたいことがあるのかもしれないし。何か話題はないものかと目を泳がせると、彼の髪が揺れているのが見えた。

「そういえば、髪の毛そうやってるの珍しい。いいね、なんか色っぽいね」

「それ、男に言うことかよ」

「いいじゃん、セクシーだよ」

覗き込みながら茶化すと、口元を手で覆いながら目をそらす。ああ、余計照れさせちゃった。まあ事実、ちらちら見える巻島くんの項は色香を放っているし、さっき立ち姿も見たけれど、すらっと縦に細長い体型の彼には浴衣もよく似合っていた。旅館の浴衣を着慣れすぎて適当に着ているわたしよりもよっぽど。そういえば帯がやけに綺麗に結ばれているけど、尽八くんの仕業かな。尽八くんに帯を留めてもらっている巻島くんの姿を想像するとちょっと微笑ましくて可愛い。
ひとりでくすくす笑っていたら、むっと噤んだ口がこちらを向く。

「何、笑ってんショ」

「なんでもないよ」

「……なあ、登。話変わるけどさ」

一旦言葉を区切った巻島くんは、わたしが軽く返事をするとそっと頬に触れてきた。
さっき、もう少し積極的でもいいとは思ったけれど、まさかこのタイミングで急にこんなことしてくるとは予想出来なんだ。細い指が撫でるように、行ったり来たり、滑るのを繰り返す。
流石にわたしも照れくさくなって黙りこくっているが、巻島くんの顔は多分わたしの3倍くらい赤い。ので、我慢して彼の言葉を待ってみる。

「今日、その……3ヶ月、だろ。……ええと、その、俺と登が、付き合って。……俺、こういうのよくわかんねェけど、なんか、区切り? だろ……だから、」

巻島くんは、言い掛けて息を吸う。それからゆっくり吐き出して、深呼吸。
なんだかかなり緊張している。かくいうわたしもまさか彼が3ヶ月とかそういうのを意識しててくれてるなんて思ってもみなくて、固まることしか出来ない。
勿論、記念日だね。とかアピールしたかったわけでも、プレゼントが欲しかったわけでもない。そういうのを求めていたんじゃない。ただ、もう3ヶ月も経つんだなって、巻島くんは、どうだった? 短かった? 長かった?って、そういうことを一緒に話せればいいなって思っていた。それを、そういうことに無頓着そうな彼から言い出してくるものだから、びっくりして。
しかも、顔が、近い。
そんなことをぐるぐる考えていたら、視界にふわっと影がかかって、暖かいものが唇にそっと触れる。
え、まさか。

「……記念、 みたいな。とりあえず俺は……これからも一緒に居たいって、思うショ」

ちょっと嬉しそうに、やっぱり下手くそにはにかんで。
声を出したいのに、美味く息が吸えない。いざこんなことになったら、わたしもこんなザマじゃないか。情けない。でも、どちらかと言えば目の前の彼が照れすぎているせいでこっちにも伝染ってしまったようにも思える。
なんとか、巻島くんの浴衣の襟の横を軽く掴んで、わたしの方からも優しく引き寄せる。

「わ、わたしも。一緒に居たい、な」

「……待っててくれる、ショ?」

「むしろ、遊びに行くから!」

言い切って、ぐっと強めに引っ張った。ぶつからないように、わたしからもキスをする。自分からこんなことするのは初めてだから、上手く出来たかはよくわからない。でも、目を見開いて更に赤くなっている恋人を見る限りでは、多分成功したはず。
ぱっと手を離せば、巻島くんは脱力したように片手を後ろに手をついて天井を見上げた。もう片方の手は、髪をかきあげるように額を抑えている。

「っは!……くそ、恥ずかしい……これ以上は、無理っショ……」

「いやいや、十分だよ。わたしも恥ずかしいし」

「……恥ずかしかった、だけ、か?」

「え?」

苦笑いで言葉を返せば、座り直した巻島くんは急にちょっとしょんぼりしてしまった。頬を指で掻きながら、申し訳なさそうにこちらの様子を伺っている。
あーもう。なんていうか、なんだろう。男子に言うのは失礼かもしれないけど、なんて可愛い。そういうのほんとに、ずるい。

「そんなわけないでしょ!」

膝立ちになってから、彼への方へと倒れこむ。とっさに支えてくれたので、わたしは巻島くんへ抱きついた形になった。
巻島くんはといえば照れよりも動揺が勝っているようで、ひとまずわたしをちゃんと受け止めることが出来たことにほっとしている。

「嬉しくなかったらあんなに照れないって、わたしも」

「ん……なら、いいショ。って、いうか、ちょっと離れろ」

満足そうに笑ったと思えば、はっとしてわたしを少し押し返す。なんだ、もう少しこのままでもよかったのにな。しかし、ちょっと良くなっていた顔の赤さがまた戻ってしまったので、抱きつくのはまた今度にしよう。
大人しく元いた場所に戻れば、彼の大きな手が頭に乗る。

「ったく……順序ってあるだろ」

「もうちょいガンガンきてもいいんだけど」

「俺はお前のこと、大事なんショ」

「うん、ありがとう」

漸くふたりで顔を見合わせて微笑んだら、巻島くんの携帯が鳴った。どうやら、尽八くんからの連絡が来たらしい。

「東堂だ……登も、来るショ?」

「行っていいなら行こうかな」

「ダメなわけないだろ。小野田の様子、見にいくぞ」

立ち上がった巻島くんが手を伸ばすので、それに掴まってわたしも立ち上がる。すぐに離れると思っていた手は繋がったまま。むしろ、少しだけぎゅっと力を入れられた。
首を傾げているわたしを他所に、行くぞ。と前に進む巻島くん。

「手、このままでいいの?」

「……俺なりに、これでガンガン行ってるつもりっショ」

「なるほど」

後ろを向いているから顔は見えないけれど、どうせまた赤くなってるんだろうなと思うと笑えてしまった。いいっていうなら、わたしからも握り返そう。
これから先、この照れ屋な恋人がこうして段々積極的になってくれる期待を込めて。




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