「んっ…」
陸奥の肌は透き通りそうなくらいに白くて。
その色にそそられ、辰馬は所有印を次々と付けていく。
ちゅっと音を立てるその度に陸奥は身を捩(ﾖｼﾞ)り、鼻腔からは小さく息が漏れた。
「良い香りがするのう」
「さっき…風呂に」
「陸奥の匂いがするぜよ」
辰馬は身体を唇で這うのを止め、片手で胸を直に触る。
「ぁっ…」
「ちっちゃいの〜陸奥のは」
「うっ、うるさい!」
「揉めば大きくなるぜよ」
「やっ、」
陸奥に反抗する暇を与えず、辰馬は優しく揉み始める。
しかし時に先を触ったり、摘まんだりといやらしい手つきで。
陸奥はそれに合わせるように、声を漏らすだけだった。
「んっ、ふ…」
時折、深く口付けを交わす。
両者の口元からは最早どちらかのものか分からない液体が伝う。
場所、状況、雰囲気。
何が引き金になっているかなんて、知らない。
それでも何時も以上にキスをしたくて、触れ合っていたくて堪らなかった。
「はぁっ…ぁ、」
陸奥の眼はとろんと垂れ下がり、微かに潤んでいた。
辰馬は汗ばんでいる陸奥の前髪を手で拭い、唇を落とす。
「ひゃっ…!」
唇を落としたのを合図に、辰馬の手は下方へ。
「辰馬っ…」
「むっちゃんのここ、濡れてる」
「っ、言うな!」
羞恥で陸奥の顔は一気に紅潮し、辰馬から視線を反らす。
「まず慣らさんと。入らんろー」
「やっ…、あ!」
人差し指を陸奥の中へ入れると、反射的にきゅっと締め付けた。
「力、抜いて」
「む、りぜよっ…!」
「わしが居るきに」
だから安心してと言わんばかりに、再び唇が頬や額に触れる。
陸奥の身体の力が徐々に抜けていくのを見計らって、辰馬は一本から二本、二本からと数を増やしていった。
痛みが心地好くなり始めた時、辰馬の指の間からは液が垂れ落ちた。
「陸奥」
「た…つま」
互いを熱の隠った声で呼び合い、素肌と素肌が触れ合うと独特の温かさを感じる。
「愛しちゅうよ、陸奥」
耳許で囁くと、辰馬は陸奥の中へ侵入した。
「ぃっ…!」
先を軽く入れただけでも、陸奥は痛みで顔をしかめる。
思わず目を固く瞑った。
「目瞑らんで」
「こわ…いっ」
「分っちゅう。だから、目開けるぜよ」
おそるおそる、ゆっくりと眼を開けば。
恋いに焦がれたその人が、視界いっぱいに広がった。
「わしから目放さんで。わしから離れんように」
額、頬、唇。
顔中の、ありとあらゆる部分にキスをされる。
「た…つま…」
痛みは相変わらずだったものの、陸奥は安堵に包まれた。
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