ガウンガウン!!!



「アハ、アハハハ!!至近距離は危ないぜよー」



慣れているのか陸奥が発砲したのにも関わらず、何時もの調子で笑う辰馬。



「…当たって死ね!!変態モジャがァア!」

「何の事じゃ」

「今わしの胸触ったきに!!」

「触ってないぜよ」

「わしが触った言うたら触ったんじゃ!!!」



肩で息をし睨み付けるが、その顔は紅くて。


辰馬は小さく笑みを溢す。


「何笑っちゅう!!」

「気のせいじゃ〜」

「気のせいじゃ

「あ、そろそろ時間ぜよ。陸奥船ば頼む」

「頭!」



ひらひらと手を振りながら、取引先へ向かうためにその場を去る。



「……」



気のせいではなかった筈だ。


残された陸奥は落ち着きを取り戻しながら、声には出さずに繰り返していた。











「という訳じゃ」



話を聞くべきではなかったと銀時は確信した。


理由が余りにも下らなさすぎる。



「てめーら付き合ってんだろ!?いいじゃねェか胸の一つや二つ!!」

「完全なセクシャルハラスメントじゃき」

「いや、言ってることは間違ってねーけど。つーかどうせ夜にゃ辰馬に嫌って言うほど触られて

「得意技はモジャモジャしたものを射つことぜよ」

「すみませんでした」



額に当てられた銃口は冷たく、銀時の口元がひきつる。



「それだけではない」



愛用の銃は仕舞われ、陸奥はソファーに再び腰掛ける。

















「今日は船がイマイチ安定してないのう」



宇宙空間を移動しながら、辰馬は思っていたことを口に出した。



「そうなんですよ。ちっくと調子がおかしいみたいで」

「次の星に離陸するぜよ。船ばみてもらうきに」

「分かりました」



操縦席に座る部下へ命令を出すと、陸奥の隣に立つ。



「次の星までは大丈夫なんか」

「そうそう簡単にはやられる船じゃないちや!」

「そうか」



頭がそう言うなら大丈夫かと納得し、次の予定を確認しようと持っていたスケジュールに目を落とす。



ガタン!!



「っ!?」



船が大きく揺れ、立っていた船員はバランスを崩して床に次々と倒れた。



「怪我してなか?」

「平気じゃ。すまん」



陸奥の腕は辰馬に引かれて、すっぽりと収まったおかけで倒れることもなく。


それで済めば良かったのだ。























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