「昨日の今日…ではなく今日の今日ではないか。ぬしの頭はどうなっておる。違う方も診てもらったらどうじゃ?」
「ああぁ〜…俺のパフェぇ…」
糖尿病を患っている銀時の代わりに、苺パフェのスプーンを進める。
目の前に項垂れる姿を見ると、少し情けをかけたくなる。
「思う存分食したいのならば、病気を治してからでも良かろう?ぬしが甘党で、食したい気持ちが分からぬ訳ではない。が、医者としてそこはしかと守ってもらいたいんじゃ」
「いーやーだ。つーか無理。月詠センセーの言うことでも俺ァ聴かねー」
見た目は大人、頭脳は子供。
某番組のキャッチフレーズと逆ではないか。
かちゃん、とスプーンを置く。
「了解した。わっちの言うことは聴けぬのじゃな。ならば担当医を変えてもらう」
「は!?」
勢い良く項垂れていた体を起こし、視線を合わせる。
「…なんじゃ」
「それ、訳わかんねーし」
「ぬしがわっちの言うことが聴けぬと言うのならば、違う医師に診てもらうしかあるまい」
「マジで?」
「マジじゃ」
月詠は鞄から財布を取り出す。
「代金は此処に置いていく。殆どわっちが食してしまったからな」
「いや、殆どってゆーか全部だよね?俺一口も食べてないからね?」
「先に失礼する」
「おい…!」
足早に店を後にする月詠を、慌てて銀時は追いかけた。
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