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「日輪には頭が上がらぬようじゃな」
月詠の声で我に返る。
「いやいや、銀さんだってやる時はやる男だかんね?」
「そうか」
月詠も茶を啜り、一息をつく。
「フフッ」
くすくすと笑い出す月詠。
「何、思い出し笑い?」
「今日は楽しかったと思うてな」
「月詠でありんす。どうぞよしなに」
月詠を見た瞬間、新八と神楽は固まった。
「銀さん…どんな手を使ったんですか?」
「は?」
「くおぉんなべっぴんさんが銀ちゃんと付き合うはずないネ!」
「てめーらいい加減にしろよ!!」
神楽は月詠に向き直る。
「こんな男に引っ掛かるなんて駄目アル。万事屋なんてフリーターとさして変わらない職業。もっと経済力ある男と一緒にならないと幸せになれないネ!」
「なーに言ってんのかなー神楽ちゅわん」
「さ、月詠さん。玄関では寒いですから上がって下さい」
「あぁ。邪魔する」
月詠は新八に促され、家に上がる。
「ったくどいつもこいつも…」
頭を掻きながら月詠に続く。
神楽は月詠の腕に己の腕を絡めた。
「この前なんか銀ちゃんサイテーだったアルよ」
「興味深いな。聞かせなんし」
「おっいー!!!」
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