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「では、本日もごゆるりと。銀さん、月詠に酒は駄目だからね。絶対」
「はいはい、分かってますってばー」
日輪はにっこりと恐いくらいの笑みを浮かべ、部屋を後にした。
「オタクの花魁さんめちゃくちゃ恐くね!?最初とかなり態度違うんですけど」
「あ、あぁ…。そうじゃな」
「別に構やしねーけど。つーかさ聞いてくんね?今日
「…銀時、」
「あ?」
「抱きなんし」
「…は?」
予想外な言葉に、銀時は口を開けたまま塞がらない。
「抱いてくれと言うておる」
シュルリ、
月詠は自ら帯を解き、着物を緩めた。
「ちょ、ちょ待てって!何だよいきなり」
「いきなりではない。ここは座敷の上じゃ。これがわっちの役目」
身に纏っていた布を全て取り去り、銀時に正面から抱きついた。
「!?つく
「銀時…抱いてくりゃれ……」
抱いてくれ。
どうか己を抱いてくれ。
『女として見られているのかしら?』
それが己の知っている、少なくとも己が女としてみられていることへの証だから。
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