12
「イチイチ頭下げんなって」
水を飲み干し、お盆の上に置く。
「さーてと、そろそろ帰っかな。世話になった」
銀時は立ち上がり、伸びをする。
「!わっちは何もしておらぬ」
勢い良く立ち上がり、銀時を見上げた。
「また来ておくんなし!ぬしともっと…話がしたい」
帰ってしまう。
そう思うと考えるよりも先に声に発していた。
銀時は一瞬驚いた表情をするが、月詠の頭をぽんぽんと撫でた。
「…!」
「…ま、そのうちな。じゃーな」
ひらひらと手を振りながら、銀時は部屋を出た。
[ 12/38 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]