4


日輪と月詠のやり取りに笑い声が上がる。

一人の遊女が月詠の隣に行き、笑みを浮かべた。


「これじゃ恋をしても気づかないんじゃない?」

「こい?」

「そう、恋。胸がきゅーっとして苦しくて」


別の遊女が月詠の肩に手を置く。


「いつもその殿方のことばかり考えてしまう」


色っぽい溜め息。

遊女達それぞれに想い人がいるらしい。

うっとりとした表情が物語っていた。


「さ、お喋りはこのくらいにして!お客さんが待ってるわ」

「「はぁーい」」


遊女達は立ち上がり、廊下へ出る。


「……鯉?」


月詠はあまりにもベタ過ぎる勘違いをしたまま、後に続いた。






[ 4/38 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -