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「沖田君…それ、何?」

「ばい〇んまんでさァ。見りゃ分かるでしょ」

「うーん…そうかぁ」

「何、俺のばいき〇まんに不満でもあるんですかィ」

「い、いや全然…!」

「ならペンでなぞって、色塗って下せェ」


どんなポスターになるんだろう。

そんなことを考えながら、ペンで沖田君の絵をなぞる。


「おー、これはヘドロの絵じゃな。なかなかリアリティ」

「ヘド…ふ、」

「先生違いやす。空。笑ったら殺す」


暫くすると、先生がポスターを覗いて呟いた。

言われてみると、ばいき〇まんよりヘドロに似てることに気がついた。


「…ご、ごめ…ふ、」

「ファック」

「何だ、ヘドロじゃないのか」

「もうこんな時間ですかィ」

「何か予定あるの?」

「塾」

「あー…そうなんだ。じゃあ、あと少し色塗りするだけだし、私やっておくよ」

「良いんですかィ?じゃ、お言葉に甘えて」


椅子にかけてあったコートを羽織り、エナメルバックを肩に掛ける。


「あとで空にお礼しなんし。きっと喜ぶじゃろう」

「え!あ」

「…まー、気が向いたら。じゃ、さよーならー」


意味有り気に微笑んだその顔を、何だか忘れられなかった。


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