15
「こうやって同じ学校に居られるとは奇跡じゃな」
「銀さんもやれば出来るってコト」
「まぁ、ぬしは壁にぶち当たった所で、諦めるたまじゃないからのう。諦めが、悪い」
「それも必要だろーが。俺だけじゃなくてさ、やろーと思えば誰だってやれんだよ」
「あ!銀ちゃん先生居たネ!」
「本当だ。先生ー!早く来てください!集合写真撮りますよー!!」
「月詠先生も、早く早く!!」
校庭から二人を呼ぶ声がして、同時に下を向く。
3Zの教え子達が珍しくきちんと整列をして、銀八達が来るのを待っていた。
「しゃーねーなァ。今行くから待ってろ」
「そんな最後までダルそうにするなヨ!わたしは銀ちゃん先生みたいな先生にはなりたくないアル」
「あ、僕もです。もうちょっと…いや、かなりシャキッとして欲しいですね」
「悪い教師の手本にはうってつけネ」
「ちょっとそれどーゆー意味だよ?あ?」
「そのままの意味ではないか。生徒は良く先生を見ておるの」
月詠は銀八と生徒のじゃれ合うようなやり取りを見て笑った。
「目指すならこんな先生だろ」
「フフ、そうかのう」
「そーなの」
銀八は頭を掻きながら空いている手で古いドアのぶを掴む。
「ま、色々あっけど…」
ぼーいずびーあんびしゃす!
(少年よ、大志を抱け!)
end.2010.3.31.
[ 15/41 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]