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月詠は言い当てられてしまい、はっきりと自覚する。
自分ではもう、止められない。
「泣くなってーの」
「ぬしが、悪い、んじゃ…!」
「…まぁ、そりゃ喜んでくれるのは嬉しいけどよ」
「戯け!!」
「はァ!?」
突然泣き出し、大声を上げた自分を周りが見ていたが。
そんな視線今はどうでも良かった。
「戯けって何だよ!いきなりヒドくね!?」
「あぁ、もう、何が何だか分からぬ!!」
「俺も分かんねェよ!!」
月詠は一呼吸し、乾いた唇を舌で舐める。
「離れたくない、寂しい、逢いたい」
「…え?」
「…何度も言おうかと思った。じゃが言えなかった」
らしくもないことは、言えなかった。
そして自分が負担にならないようにしなくてはならない。
そんな感情は二年で積もるところまで積もった。
「…ぎん、ぱち……」
もう、我慢しなくて良い。
「逢いたい…ずっと…寂しかったんじゃ…!」
拭っては出て、拭ってはやはり出てしまい。
涙は止まることを知らず、月詠は自分に精一杯になっていた。
「「じゃ、その分これから埋め合わせしてやっから」」
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