Next day
「…ん…」
差し込んだ光に目を細める。
「起きた?」
「……ん。…頭が痛い…」
「飲み過ぎじゃねェの」
「分かっておりんす。…下着、とって」
冷静過ぎ。
今までにも何度も繰り返したのだろうか。
月詠先輩は自分が思っているよりも、綺麗ではないのかもしれない。
「……昨日は、」
「え?」
「すまなかった。主に彼女がおるのは知っておった。なのに、」
「それならこっちだって同じだろ。先輩、彼氏いるの知ってましたし」
「……夢ではないんじゃな」
気がついた。
先輩は今、世間でいう浮気に、自分がした過ちに酷く悩まされている。
後悔している。
だから、
「夢じゃねーよ。俺と先輩は昨日、俺の部屋で、セックスした」
敢えてはっきりと言ってやった。
先輩に言い聞かせてやるように。
「…軽率…じゃった…」
頭を抱えたのは、二日酔いのせいだけではない。
先輩は、綺麗なままだった。
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