13
シャラ、
「そこでわっちが奴に会った最後。恋というものは、難しいの」
「…もう、その人とは、連絡とれないんですか?」
「…さぁ。少なくともわっちはからは出来ぬ。あんなことを言って、合わせる顔など何処にもありんせん」
先生が話終えた頃には、外の世界は暗くなっていた。
「…話過ぎてしまったな。相談に上手く乗れずに、申し訳ない」
「先生たちは、嫌いになって別れた訳じゃないんですよね?…なら」
「空」
「先生たちはお互いに素直じゃないだけだと思います。先生だって、その人のこと忘れて生きたいなんて嘘でしょう?」
「……」
「距離なんて、関係ないくらいに…先生たちは想い合っているじゃないですか」
涙腺崩壊。
また、次々と流れていく。
「…ありがとう。空」
月詠先生が綺麗に微笑んだ。
「しかし、それはわっちにだけ言えたことではないと、気づいておるのか?」
「…え?」
「留学する奴に、沖田に気持ちを伝えなくて良いのか?」
「……」
「お互いに素直でない。距離など関係ない。そう言ったのは、空自身ではないか?」
その日の出来事、先生の言葉。
私の中で、何かが変わり始めていた。
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