11

 
 
「なー、大学卒業したら、月詠どうすんだっけ」

「地元に戻り、養護教諭になりんす」

「だよなー」

「ぬしこそ、決まっておるのか」

「ん?俺は月詠のお婿さん」

「…な、お…!」

「え?嫌?俺と結婚すんの」


そんなに見つめるのは確信犯だ。


「…嫌な訳…なかろう」

「月詠のご飯美味し、銀さん毎日定時に帰って来て、夕飯食べてー月詠も頂いちゃ

「たっ戯けが!」


幸せだった。

2年間遠距離で、3年生から編入して来た銀八と過ごした大学生活。

そして、この先、未来も語り合えるなんて。

本当に幸せだった。


「銀八…!」

「にぃ」


そこには合格通知と銀八のだらしない笑み。

現役で、二人で合格。

学校は違えど同じ場所で働いて、同じ家路に着く。

春からはそんな生活ができると夢をみていた。

今考えると、出来過ぎていたのだ。



[ 26/41 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -