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「なー、大学卒業したら、月詠どうすんだっけ」
「地元に戻り、養護教諭になりんす」
「だよなー」
「ぬしこそ、決まっておるのか」
「ん?俺は月詠のお婿さん」
「…な、お…!」
「え?嫌?俺と結婚すんの」
そんなに見つめるのは確信犯だ。
「…嫌な訳…なかろう」
「月詠のご飯美味し、銀さん毎日定時に帰って来て、夕飯食べてー月詠も頂いちゃ
「たっ戯けが!」
幸せだった。
2年間遠距離で、3年生から編入して来た銀八と過ごした大学生活。
そして、この先、未来も語り合えるなんて。
本当に幸せだった。
「銀八…!」
「にぃ」
そこには合格通知と銀八のだらしない笑み。
現役で、二人で合格。
学校は違えど同じ場所で働いて、同じ家路に着く。
春からはそんな生活ができると夢をみていた。
今考えると、出来過ぎていたのだ。
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