4

 
女の子は甘い物が好き。

そう定義したのは何処の誰だろうか。


「いただきやす」

「おい」

「何ですかィ?」

「この量は何じゃ」

「三十分で完食出来たらタダ。早く食って下せェ」

「こんなに食べっ…


口の中いっぱいに広がったのは、チョコレートの蕩けるような甘さと苺の甘酸っぱさ。

おまけに生クリームもたっぷり付いていた。


「旨いでしょ、先輩?」

「……甘」

「パフェとか苦手な人ですかィ」

「いや、苦手ではない…」

「どちらかと言えば?」

「…好きじゃ」

「良かった。なら早く、溶けちまいまさァ」


後輩が掬ったスプーンにはバニラアイス乗っており。

それからは時間制限ということもあって、二人で黙々と食べ続けた。

再び甘さが口いっぱいに広がる。


「(パフェ、か…)」



『月詠ー。パフェ食いたい』

『またか?あんなに甘い物を飽きずに良く食べるな』

『糖分は俺の一部。ほら、女の子は甘い物が好きって言うし。月詠も好きだろ?』


──甘いもの。


「……」


わっちは甘いものが好きだった、のか?


 

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