復讐のCampanella | ナノ
窓に打ち付ける雨の音で目を覚ます。
それと同時に携帯にセットしたアラームの音が鳴り響き、ベッドから身体を起こす。
外は土砂降りのようだ。
だけど私は雨は嫌いではない。
むしろ晴れの方が嫌いだ。
晴れはなんだか心の底を見透かされている気がする。
そして心に闇を抱える私を嘲笑っている気がするのだ。
だから太陽が雲に隠れ、薄暗い天気の雨が好きなのだ。
雨の音を聞きながらシャワーを浴び、身支度を整えるのだった。
♂♀
新宿某所。
可憐は高級そうな高層マンションの前に立っていた。
電話で言われたようにインターフォンを押せば、そこからは警戒な声が響き、部屋まで来るように言われる。
指定された部屋の前に立てば、まるで監視されていたかのようにちょうど良いタイミングで扉が開かれる。
「やぁ、いらっしゃい」
「どうも、折原さん」
「相変わらず可憐ちゃんはテンションが低いねぇ」
「折原さんがテンション高すぎなだけですよ」
「良いから早く上がりなよ。雨で肩が濡れちゃってるよ」
お邪魔します、と遠慮がちに部屋に上がれば、タオルを手渡される。
「え…?」
「早く拭かないと風邪ひくよ。本当、雨って嫌だよね」
「私は、雨好きですよ」
「へぇ、やっぱり可憐ちゃんは変わってるね」
受け取ったタオルで少し濡れた髪を拭けば、そのタオルからはふわりと折原さんの香りがかおった。
「で、とりあえずここが俺の仕事場ね。可憐ちゃんはそこの空いてる部屋を好きに使って。だいたいの物、机とかベッドとかタンスね。それは揃ってるから自由に使っちゃって」
「…はい」
そう、今日から数日間私は折原さんと共同生活をすることになったのだ。
恋人ごっこ、からこんな展開になったのには疑問が浮かぶが、折原さんに接近出来るのならばそれも良いだろうと了承した。
「何か質問はある?」
「あ、家賃とかは生活費はいくらぐらい渡せば良いですか?」
「あー、普通のカップルってどうしてるんだろうね?まぁ、こういうのは男が持つものなんじゃないかな。うん。…じゃぁ、こうしよう!金銭面は俺が持つよ、まぁ、元々家賃は俺が払ってきてたわけだから問題ないし、こう見えても俺、儲かってるから。掃除と洗濯をやってもらうってのでチャラで良いよ。あ、あと料理も基本は可憐ちゃんにやって欲しいかもなぁ」
「えっと、じゃぁ、基本家事は私がします。でも本当にそれで良いんですか?」
「良いよ。それに可憐ちゃん、どうやって生計経ててるのか不明だし」
「すみません、ありがとうございます。折原さん」
「とりあえずさ、敬語と折原さんって言うのはやめない?」
「臨也…さん?」
「まぁ、良いや。それで」
はい、これ、と近くの棚に置かれる合鍵を見ればこの選択が本当に正しいものだったのかと不安になった。
でも大丈夫、雨の音がそんな私の不安を流してくれるから。
♂♀
可憐が部屋に入って行ったのを横目で見た臨也はスリープモードにしていたパソコンの電源を入れる。
そこにはとある掲示板が映っていた。
【おい、平和島静雄が女と歩いてたって話聞いたことあるか?】
【あるある。しかもその女の部屋から朝帰りしてたらしいぞ】
【まじかよ】
【敗北感wwww】
【その女の名前求む】
【誰か知らないのかよー】
【気になる、気になる】
【可憐って呼んでたぞ】
【名前可愛いな、おい】
【くっそー。まじ敗北感ぱねぇwwww】
臨也は小さく舌打ちをしながらパソコンの電源を落とす。
「シズちゃんなんかにこんな面白い女、渡すわけないじゃん。何を企んでるか知らないけど、暇潰しには最高かなぁ。期待に応えてよね、可憐ちゃん」
...to be continued
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臨也を書くと会話文が長くなる傾向wwww
臨也くん喋りすぎだよ!←
お金に関しては緩い印象!
お金持ってそうだから気にしなそうなイメージなんですよね。
本当に、これ夢なのか?w
でも実はこれ書いてて楽しい。
ちなみに管理人は雨が嫌いです。でも悩んでる時とかの晴れは大嫌い。
この夢に書いたような気分になってしまいます。
タイトルがもうネタ切れww
2012/4/10
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