背伸びなんてしなくても
「クラサメ隊長!!」
早歩きで待ち合わせ場所に行けば、人混みを避けるようにしてゆらが待っていた
毎回の如く報告書を出さない生徒のせいで待ち合わせ時間に遅れてしまった事に申し訳なくなる
「ゆら、待たせてすまない…それと、今は隊長と呼ぶのはやめてくれないか」
「ごめんなさい…クラサメさん」
待っている間に寒さでほんのりと赤くなってしまった頬をそっと撫でながら訂正すれば、ゆらは申し訳なさと恥ずかしさで俯いてしまう
そんなゆらの手を取り歩き出すが、足取りが重いせいか少し引っ張るようにして歩いていた
「どうした?」
「ううん…」
振り返り少しだけ首を傾げて問えばゆらは視線をあちらこちらに向けたまま返事をした
その視線の先が周りにいる所謂大人の女性に向けられていて、それを眺めるゆらが何を考えているのかなど容易に想像できた
「わたしは」
チラチラとこちらを伺う女性の何人かに視線を向けながら、ポツリと呟いた
するとあちらこちらに向いていたゆらの視線が此方を向いたので、その見上げてくる大きな瞳をじっと見つめた
「今の…ありのままのゆらだからこそ、好きになった」
「クラサメさん…」
一瞬も逸らす事無く瞬きすらも忘れたかのようにお互い見つめ合ったままで言えば、ゆらは恐らく無意識で繋いでいた手に少しだけ力を入れた
それにまるで返事をするかのようにゆらに握られた手でそっと握り返して、愛でるように瞳を細めた
「それだけじゃ不満か?」
その問いに返ってきたのは、まるで花が咲いたかのような、純粋で無邪気な笑顔だった
背伸びなんてしなくても
(わたしにとっては)
(キミ以上なんていないんだ)
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白昼夢のゆら様への
相互記念でございます
遅くなって申し訳ありません
そしてリクエストに
お応え出来ているのかも
よくわからなくてすみません
お姉様方にチヤホヤされる
クラサメさんなので
自分に自信がなくなって
しまったんですけれど
でもクラサメさんの言葉に
着飾る事なく子供っぽく笑う
ゆら様返品してくださって
全然よろしいですから!!
これからも何卒
よろしくお願い致します
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相互リンクサイト様の泡沫恋模様、神憐さまに書いていただきました!
お持ち帰りさせていただくまでに大変長い時間がかかってしまって申し訳ございません!
神憐ちゃんの書く夢は雰囲気がとっても好きで、私がこのサイトを立ち上げる前から好きなサイトさまで足を運ばせていただいておりました。
これからも神憐ちゃんが書く世界を味わいたいです!
*ゆら*
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[mokuji]
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