泣いたのは愛してたから
今日、私は終わりを告げる。
臨也と出会ったのは忘れもしない、来神高校でのこと。
最初はなんだこいつ?としか思ってなくて、まさか付き合うだなんてことになるなんて思ってもみなかった。
高校を卒業して、臨也はよくわかんないアホなことばっかりして情報屋とか意味わかんないことして、よくわかんない髪の長い女の人と仕事をして……私を遠ざけた。
はじめは意味がわからないと思った。
でも臨也が意味わかんないのはいつものことであって、今日にはじまったことじゃない。
でも、私を遠ざけておいて女の人と二人っきりで仕事?なにそれ?って考えたら臨也がなおさらわからなくなった。
恋人って、信用出来なくなったらオシマイなんだよね。
だから私は、終わりを告げるんだ。
臨也に電話すると、ちょうど暇だとか言うので新宿の通い慣れたマンションに向かう。
「やぁ、久しぶり!1ヶ月ぶりぐらい?」
なんて言う臨也。
いつも通りの臨也に、臨也の匂いがする部屋、見慣れた後ろ姿。
やっぱり会わなきゃよかった。
なんて考えを拭い捨てて終わりの言葉を発する。
「ねぇ、臨也」
「ん?」
「私たち……終わりにしようっか」
沈黙。
臨也はただじーっと私の目を見る。
「ねぇ、聞いてるの?」
「聞いてる、聞いてるって」
「……おど、ろかないの?」
「うん、そろそろ言われると思ってたよ」
そういうと臨也は、ははっと笑った。
「なに、それ……」
「知ってるでしょ?俺の趣味は人間観察だって。何年一緒に居ると思ってるの?俺たち」
「馬鹿にするのもいい加減にしてっ!もういい!私たちはオシマイよ……」
「なに?俺に嫌気さしちゃった?それとも嫌いになった?」
じーっと私の目を見つめる臨也。
なんでも見透かされているような気分になる。
「……あんたなんて、だいっきらい」
精一杯の強がりだ。
あんなに臨也に振り回されていたはずなのに、この一言を吐き出した瞬間に私の瞳からは大粒の涙が溢れ出てきた。
「……本当に?本当に俺のこと嫌いになっちゃった?」
「……っ、うん」
「わかったよ。俺のことが嫌いになったって言うなら別れてあげるよ。でも……」
いつも饒舌な臨也が話すのを少し迷いながら、真剣な顔で言う。
「……でも、俺は好きだよ」
真っ直ぐに私を見つめる臨也。
「でももう俺のこと嫌いになったんでしょ?」
「……だからっ、だから大嫌いっ」
「わかった。今までありがとう。楽しかったよ。そんなに泣くほど俺のこと嫌いになったならしょうがないね。……元気でね」
私は言葉を返さず、この部屋の鍵を近くにある棚の上にそっと置き、臨也に背を向けた。
私の背中に臨也の視線を感じたが、私は一度も振り返らずに扉を閉めた。
溢れてる涙はまだ止まらない。
きっと………………
泣いたのは愛してたから------------------------
切ないお話です!
しかしこちらは続編(ハッピーエンド)を
書くつもりでいますのでよろしくお願いします!
ちなみに昔名前変換なしでうpしたものなので
読んだことある方がいらっしゃるかも!
2011/11/26
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[mokuji]
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