もっと甘く酔わせて






「クラサメくーん?」


部屋の主の名前を呼びながら扉を開けると、そこにはまだ執務中の部屋の主の姿。




「なんだ」

「…つれないなぁ」



彼はまだ執務中だというのにも関わらず、ズカズカと中に入っていきソファに腰をかける。



少し足元がふらつく私。

そんな様子に気がついたのか、少し怪訝な顔をするクラサメ。




「酔っているのならまっすぐに自分の部屋に帰れば良いだろうといつも言っている」


「えー?クラサメくん冷たすぎだよ」



少し頬を膨らませて彼を軽く睨む。

そんな様子を無視しながらも、水と薬を持ってきてそれを私に差し出す彼。





「なに、この薬」


「胃薬だ。今のうちに飲んでおいたほうが二日酔いが楽になると聞く」



「……ありがとう」





彼と私は候補生時代からの同期なのだ。

エミナと親友だった私はエミナの友達として彼に出会った。


いつの間にか彼に惹かれていて、こうして酔っ払っては彼にちょっかいをかけに来る。



酔っ払っていないとそんな勇気はない私。

いつも軽くあしらわれて部屋に帰されてしまう。





「それを飲んだら自分の部屋へ帰れ」


「えー、嫌よ」

「………………」



「そんなに睨まないでよ」




早く私が帰るようにと私の側に立つクラサメくん。




「どうしてそんなに早く帰したいのよ、ばか」


「……お前は自覚がなさすぎるからだ」

「自覚って、なによ」


「酔っ払った女が一人で男の部屋に入って来るものではないだろう」





そう言うと顔をそらすクラサメくん。


それって…、
私はクラサメくんに女として見られてるって自惚れていいのかな?












「クラサメくんにならなにされても良いよ」



そんな私の発言に目を丸くする彼。




「本気で言っているのか…?」




ゆっくりと私が頷くと、彼は座っている私に軽く覆いかぶさるように膝をソファに立てる。




「酔っていたから今の発言はなしというのは受け付けないぞ」




いつの間にか外したマスク。
彼の素顔を見るのはいつ以来だろうか…。


優しく、傷を労るかのように私が傷跡を撫でるとその手を右手で抑えられる。


彼はもう一方の手で私の頬から首を撫でると、顎を軽く上げ深い深い口づけをする。


何度も何度も角度を変えては甘い甘い口づけをする。



互いの漏れる呼吸。

その呼吸音ですら私たちをさらに駆り立てる。




お酒で酔っていた私はいつの間にかお酒の酔いなんか醒めていて、クラサメくんの口づけに酔っていた。






「…んっ、クラサメくん」



口づけの合間に彼の名前を呼ぶと、優しく返事をし私の頭を撫でる。

























―――もっと甘く酔わせて

(息が出来ない程に―――)




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クラサメさんんんん!

いつも酔っ払っては自分の執務室に来ては絡んでくるヒロインちゃん。
一生懸命、理性を保ってヒロインちゃんをしっかりお部屋に戻してたらいいよ!w


クラサメさんって酔っ払いの扱い方とか慣れてそう…
エミナさんとか酒豪でめっちゃ絡んできそうw

そんな感じでクラサメ夢でした!


2011/12/18


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