クール&フール

スッパーとこの世のなんにも関心ありませんすんませんみたいな顔してタバコふかしている静雄サンはスーパーにクールでスーパーにフールで見てるとなんだかそれだけで口の端っこらへんがぴくぴく動いちゃいそうなほど心揺れるのだが俺の他にもそんな彼を見てる輩が喫茶店のテラスに二人ほど発見することができ、しかも両方とも既知の人物だったりしたから俺の口の端っこのいびつな動きもさっさと鎮静した。かたっぽは静雄サンの愛弟幽平の野郎、もう一方はろくじょうちかげくん。ろっちーって呼ぶと野郎が呼ぶなと怒られたのでちーちゃんと呼ばしてもらうことにする。幽平とちーちゃんはふたりして仲良くひとつのテーブルに座っているものの決して仲が良さそうには見えず互いに何か呟いているのもどうにもベイビーなお前の為にちゃんと脱脂綿で何重にもくるんでやったぜ的に威張った金網デスマッチの応酬に見えた。つまり皮肉の言い合いってこと仲いいのかやっぱ。二人も静雄サンも俺には気づいていないようなので俺はすっごく楽しみながら二人と静雄サンをまじまじっと見ていた。静雄サンは俺にも二人にも全く気づいてなくてそれなのにすかしてふかしたタバコがマジもうクールでフールでたまんねえ。街中で静雄サン見つけたラッキー静雄サン見てる静雄サンファンクラブの二名もついでに見つけたラッキーって感じで今日の星占いの順位は7位だったが普通に1位だねこれと思った。静雄サン終日見てても飽きないのにオマケが二つもついてるってラッキー通り越したハッピーですよって。
幽平は言うに及ばずだがちーちゃんも相当静雄サンにイレ込んでるみたいで愚直に静雄サンに好き好き言いまくり静雄サンを本気で照れさせるちーちゃんが俺は好きだった。というか静雄サン共々可愛いなあとか思ってた。狗木ちゃんと幽平を同じ空間に置いといたら甚だしく虚しい環境が一気に構成されそうだがちーちゃんと静雄サンが一室で抱き合ってるのとか見たら多分俺勃っちゃう可愛いすぎて。若さで押しまくるちーちゃんに押されっぱなしの静雄サン、エロい意味じゃなくぎゅむっと抱き合ってるところ。ああ勃ちそ。きっと静雄サンは赤くなってる。幽平相手じゃ赤くはなりはしない、穏やかに深い愛を微笑みに滲ませるだけ。幽平は静雄サンの人生に深く関わりすぎててそれが当たり前だから居て当然、だから俺的には幽平は俺の目の前で静雄さんの目の前から去ってほしい消えてほしい。静雄サンを真っ赤にするのはちーちゃんで真っ青にするのは幽平なのだ。赤くなったり青くなったり、そんな静雄サンのクールじゃないフールなツラを見るのが、目下の俺の望みである。

「皆静雄サンにゾッコンねってこと・・・」

俺の前では静雄サン、飼い主にしかなってくれないんだもの。

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