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第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -


ショコラより愛を込めて!


「じゃ、あたしがまとめて買っとくわね」
「ありがと!あ…支払い…今度でいい?」

サクラがいのに向かって両手を合わせた。

「もちろん!構わないわよ」

明るく笑ういのに同意するように頷いたヒナタが、

「だ、だよね…本命の…まだ決まってないから…買い足さなきゃいけないかも…だしね…」

と微笑んだので、いのがさっと青ざめた。

「そ!そうだった!あたし、予定してたこれ、ダメなんじゃん!」

箱と同じ美しいグリーンの紙袋を前に頭を抱えたいのを尻目に、

「ヒナタは?」

サクラが問うと、

「うん…これにするつもりだったんだけど…どうしようかなって…」

ヒナタは大切そうにそっとドゥバイヨルの箱を引き寄せる。

「あら、やめるの?」
「うん…」

紙袋に仕舞い込みながらヒナタがしょんぼりと答えた。

「喜んでくれるとは…思うんだけど…目の前でリボンを乱暴に引っ張ったり…包み紙を破ったりされちゃったらヤダかも…な…って……」
「ああ〜…」
「やりそう…ナルトなら…」
「それはイヤって…い、言えない…よね…?言っちゃダメだよ…ね?」
「そうよねぇ…あげたもんなんだし、好きに食べさせろ!ってなるわよ…ねぇ…」

二杯めのカフェを飲み干したいのがふとサクラを見た。

「なによ?サクラったらずいぶん余裕ね」
「ん?だってアタシはちゃーんと決まってるもーん♪」
「うそ!どこの?!?」
「うっふっふ♪張り込みましたー♪パスカル・ル・ガックのトリュフ!詰め合わせのほうだよーん♪」
「…甘そう…サスケくん甘いもの苦手じゃなかった?大丈夫なの?」
「それに…結構量…あるよ?確か…3つのうち2つはキャラメルと…オレンジ…じゃなかった…っけ…?」
「えっ?…オレンジ、苦くないの?」
「うーん…トリュフだし…オランジェットほどの苦さは…たぶん…」
「うっ…」

嬉しそうに掲げた箱を持ったままのサクラが固まる。

「ご…ごめんなさい…サクラさん…」

必死にサクラを慰めるヒナタを見つめていたいのが、

「わかった!」

とカップをテーブルに置き、

「この際、違うのにしよう!高級ショコラなんか所詮男にはムダ!もったいない!」

と、厳かに宣言した。




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