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漆 * 作戦会議?!

「それじゃあ取り合えず…」
「藤が見たい。(キリッ☆)」
「そっちじゃないでしょ!いの!」
「いいや、俺も見たい(キリリッ☆)」
「キバーッ?!」

作戦会議じゃないのか!と、サクラは串で二人をつついてやりたくなった。

「藤かァ…」
「アンタもかぁ!」

ナルトの呟きについに拳を振り上げたサクラを、まぁまぁといのがなだめた。

「来賓を迎えて、となると、すんなりとは入れてもらえないわよね」
「まぁな、ただでさえ人の出入りには厳しい屋敷だからな」
「えっ?どうして?」

ナルトの問いに、

「血継限界だからだろ」

キバは素っ気なく答えた。

「アラ、じゃあヒナタに夜這いをかけようったってそう簡単にはいかないってわけねぇ♪」
「なんでそこで俺を見んだよ!」

サクラのからかいにキバが軽く拳でついてやり返す。

「よ…よ…夜這…夜這い…」

なぜかみるみる赤くなるナルトに気づいたのはいのだけで、黙ってそれを見ていたが、

「ほ〜ら、話まとめましょうよ!」

二人を止めた。

「それじゃ〜、どうにかして屋敷に侵入して〜、そしてこの眼で確かめる!でいい?」
「おーざっぱだなぁ」
「十班の仕事ぶりが伺えるわよね…」
「あら、あたしの役目は方針を決めるだけで、細かい作戦たてるのはシカマルだもん。これでいいのよ」

いのはほうじ茶を飲みながら澄まして答えた。

「…七班の作戦係りは?」
「えっ?えっ…えっ…と…カカシせん…せ?」
「…だ…な!」
「かーっ!」

ヘへヘ…と頭をかくナルトとサクラに、キバは呆れて天を仰いだ。

「担当上忍に作戦立てさせてるって!あんたたちって一体なんなの?」
「いやー…ウチはホラ…作戦とかいう班じゃないっていうか…」
「お互いやれることまずやって、そんでダメだったらフォローして、っつーかさ…!」
「…行き当たりばったり班め…」

伝説だの最強だの言われた班の実体がこれかよ…と、いのとキバは脱力した。

「侵入しちゃえば何とでもなるわよ!」
「だな!とにかく侵入しねェとな!」
「どうやって侵入するかよね」
「ハイハイ!」

この中でただ一人、屋敷に入ったことがあるキバが声をあげた。

「…花見が例年通りなら、昼飯を喰うはずだ。集合は12時20分。いいな?」
「えっ?ちょっと遅くない?」
「もしや、支度やお給仕で一番ばたついてるタイミングかしら?」
「その通り!」
「花見席のお昼御飯…」
「それは…お弁当…なのかしら?」

ごくり…と喉を鳴らしギラついた眼で女子二人がキバを見る。キバは明らかに怯えて怯み、

「じゃ…ねぇの…か?」

顔をひきつらせた。

「んなわけないでしょ!来賓よ!来客よ!おもてなしよ!」
「絶対懐石に決まってるわ!」
「く〜っ!日向家の懐石!見てみたい!いや、食べてみた〜い♪」

また食いもんなのかよ…という言葉を呑み込みながらキバは、そう言えばキレイな場所でのちまちました小綺麗な食事やお菓子は、ヒナタはもちろん、あのがさつな姉でさえ好むものだと思い出す。
ふと横を見るとナルトは心底不思議そうな顔をしていて、こいつは女心の前に一般教養の勉強がまず必要かよ…、とため息をついてしまう。

「絶対!侵入を果たさなくっちゃね!」

気合いみなぎる女子二人は、完全に覗き見してぇだけだな…とキバは顔をしかめた。
ナルトはといえば複雑な表情でうつ向いたり首を捻ったりしている。

「そんじゃ、決行は明後日!」
「集合は12時20分!」
「これは立派にミッションね♪わくわくするわ〜♪」
「お、おう!わァった!」

4人はがっし!と拳を合わせた。

「ナルト!アンタ我愛羅くんに余計なこと言うんじゃないわよ」
「わぁってるってばよ!」

不安そうに尻尾を揺らす赤丸をよそに、それが解散の合図となった。


…赤丸が人間の言葉を話せたなら。
きっと聞きたかったに違いない。

「どうして、当日呼ばれているシノにも相談と協力をお願いしてみないの?」

と…。

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