弐 * 晴天から霹靂
「うおー!いーい天気だなァー♪」
「ほんとね〜、もうすっかり青葉だしねぇ」
任務の報告を終えたばかりのナルトとサクラは、空を見上げて気持ち良さそうに伸びをした。
4月末の青空はほのかに白を含んだ色をしていて眼に爽やかだが、風はまだ少し肌寒い。
「そういえば明日か明後日じゃなかった?我愛羅…風影さまが来るの」
「おーよ!公務だからあんまゆっくりは出来ねーんだけど、半日くれェなら遊べっかもしんねーんだ!」
ニシシシシ!とナルトは嬉しそうだ。
新しい条約の調印だとかで、明後日には我愛羅がやって来る。お供にテマリは来るそうだが、カンクロウは留守番役になるらしい。
ナルトの身分と言えばまだ「火影候補」に過ぎないので、他里の里長で来賓である我愛羅とは公式に顔を会わせることが出来ないのを、綱手が配慮してくれたのか時間を開けてもらったのらしい。
「ゆっくり話せんの、どんくれェぶりだっけなァ♪」
大戦終結からまだ一年と半年。まだまだどの国もどの里も復興で忙しい。
「アンタと我愛羅くんが遊んでる間、テマリさんはどうするの?」
「ん?なんて言ってたっけ〜?」
どこへ行くともなくぷらぷらと歩きながら他愛もない話をしていた二人の元へ、いのが慌てて駆け込んで来た。
「ちょっとちょっと!ねぇ、聞いた?!」
「は?!」
「い、いや、一体何を?!てゆーかどうしたの?いの?」
「とーしたもこーしたも!」
いのは言葉を切って呼吸を整えると、
「ヒナタがお見合いするって!ホントなの?!あんたたち知ってた?!?」
一息にわめきたてた。
一瞬の沈黙のあと、
「えええええーっ!!!」
ナルトとサクラの悲鳴が青空へと突き抜けた。
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