×
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -






壱 * 発端は八つ当たり?!

「くっそーっ!なんで俺だけ!」
「くぅ〜ん…」

悪態をつきながら歩くキバのことを、並んで歩く赤丸が心配そうに見上げている。
何か…何か八つ当たりが出来るものがないかと辺りを見回しながら歩いていたキバは、おあつらえ向きの小石と、遥かかなたの視線の先にナルトがのんびりと歩いているのを同時に発見し、

「うりゃーっ!!」

渾身の力をチャクラを込めて小石を蹴り上げ、ナルトに的中するより早くそこから跳躍して姿を隠した。慌ててそれに従う赤丸。

「ぃデェーっ!?な、なんだコリャ?!?」

命中した部分をさすりながら振り返るナルトを、身を隠した建物の陰から眺め、

「ふん!」

キバは鼻を鳴らした。

『もとはと言えば…あいつのせーだ!』

もいっちょなんか投げつけてやろか?と思うが、ここからやれば今度こそ見つかってしまう。
だが、小石ひとつではどうも腹の虫がおさまらない。

『こうなりゃ…巻き込んでやるぜ!』

キバの思考を察知した赤丸が、「やめなよ」というように袖を引っ張ろうとするよりも早くキバはそこから姿を消した。
主の行き先へと従うしかない赤丸は、やれやれ…というように首を振ると、同じくそこから姿を消した。


[ 1/33 ]

[*] []
[目次]
[top]