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拾漆 * 犯人探し

さくさくと歩き始めたキバを、サクラといのは慌てて追った。
真っ直ぐ迷いなく歩くキバと違い二人は、バレていたことにまだ動揺していたし、里の中でも滅多に遭遇することのないヒアシの前に出るのも緊張するやらで、なかなか足が進まない。

緋毛氈までたどり着いたキバはヒアシに一礼をすると、靴を脱いであがった。まごまごと尻込みするサクラといのには、我愛羅が会釈をしてあがるようにすすめた。
つ、とヒナタが立ち上がり、着物の裾を引いて場を作ると、ヒナタよりも先にキバが座り込んで胡座をかいた。追ってヒナタが座り、

「キバくん…」

と呟いたその瞬間、

「キバぁああああ!!!」

転がっていたナルトが突然、ぎゅいん!と起き上がり、飛びかかるようにしてキバの胸ぐらを掴んだ。

「おま…おま…オマエなァ!!!」

泣きながら食って掛かるがキバは涼しい顔をしている。

「オマエ何だってあんな嘘をォ!!」
「…俺はンなことひとっことも言ってねぇけど」

澄まして言い放つキバに、ナルトは掴みかかるというよりはすがるように詰め寄った。

「じゃあ誰がァ!?!」
「待って!そうよ、確かにキバは言ってないわ!」

いのと押し合うように座り込んだサクラが声をあげた。

「そもそもヒナタがお見合いするって言ってきたのは…」

く、く、く、とサクラ、ナルト、キバの顔が動き、

「あ…あ?!あたしぃ?!?」

三人からの視線を受けていのが慌てた。

「俺は直接は聞ーてはねぇけどな」
「任務帰りのアタシとナルトを見つけてそう言って走り込んで来たわ!」
「!!確かに!いのだった!」
「ちょ、ちょっと待ってよ!?」

咎めるような我愛羅の視線と泣き出しそうなヒナタの視線が加わったことに、いのは益々慌てた。

「待って!あたしは!『そういう噂あるけど』って言ったのよ!噂を聞き付けてあんたたちに聞きに行ったんじゃない!」
「…そう言えば…」
「でしょ!!!」

同期と言わず木の葉の忍びでも屈指の記憶力を誇るサクラの返事に、いのはほっとして浮かせかけた腰をまた下ろした。

「いのはどこで聞いたのよ?」
「ん〜?どこだったかしら…?」

人差し指を立てて唇に当てて首を傾げるいのに、同年の五人はがっくりと項垂れた。

「噂の検証はさておくとして」

我愛羅の冷静な声がして、侵入者の四人はびくん!と竦み上がった。

「それがなぜ、現場への侵入、そしてナルトの妨害に繋がるのだ?」
「う……」

我愛羅の追求にナルト、サクラ、いのはたらたらと汗を流して呻いた。

「どーしてだったっけ〜?」

キバが平然と、嫌みっぽく聞こえるような間延びした声を出したので、三人は一成にキッ!と睨んだ。

「そもそもキバが!」
「俺かよ?!」
「そ、そ、そうよ、」
「覗き見したがったのはお前らだろーが」
「うっ…そうだけど…」
「つか、ナルトがあんなとこで飛び出さなきゃよぉ」
「そうよそうよ!」
「どうしてなのよ?ナルト!」

ごちゃごちゃと小声で揉めていたが、最後にサクラが大声をあげてナルトを責めた。

「う…あ……いや………」

突然の矛先に隙を突かれたナルトは、目を見開いてまた首からじわりと顔を染め上げた。

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