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玖 * ミッション開始!

明けてミッション当日。

「遅ぇっ!」
「悪りィ…って!なんで三人とも中忍ジャケット着てんだってばよ?!」
「アラ、だってこれからミッションなんだもの」
「なんだかんだと動きやすいのよね〜これ」
「オメーも着てくりゃ良かったんじゃ…ああ?!」

気づくととナルトは隅っこで膝を抱えてしゃがんで泣いている。

「オレ…オレ…ソレ持ってねェもん…」
「あ、あー!そっか!オメーまだ下忍だったもんな!」
「はぐあ!!!」

ナルトが白目をむいて悶絶した。

「バカ!もう、ミッションの前にダメージ与えてどうすんのよ!」
「あんたの実力が上忍以上だってのは皆知ってるから〜!ほら〜機嫌直して〜!」

女子になだめられてようやくナルトは立ち直った。

他里の長とその側近を迎えているせいか、里全体がやはり警備体勢に入っている。そんな中、中忍ジャケットの着用は逆に目立たなく都合がよいとすぐに思われた。

「…やっぱ目立つわねぇ…そのオレンジ…」
「サクラちゃんの髪の色だって目立つってばよ」
「金髪のアンタに言われたくないわ!」
「…なんか言った?サクラ…。金髪碧眼なのはあたしもなんですけど?」
「いののプラチナブロンドとは違うわよ」

これから人の家に不法侵入をするのか疑わしいほど騒がしい。


「いいか!お前ら!」

建物の縁の下で皆で小さくなりながら、キバがひそひそ声で宣言した。

「てゆーか、キバ!なによ、あっさり侵入出来たじゃない!」
「侵入出来たからといって安心出来ねぇってのを今から説明すんだ!」

サクラの抗議を無視してキバが続けた。

なんのことはない、裏口から業者?の搬入の荷物と共にこっそりではあったがあっさりと侵入を果たし、現在に至っている。赤丸まで連れているのだから、もしや日向の警備体勢はザルなのか?!と首を傾げざるを得ない。

そそくさとどこかの建物まで移動し、今からキバが説明するには、

「いいか、ここは基本的に日向しか居ねぇ。日向じゃねぇやつが居たらちょー目立つってことだ」
「…そうでしょうね…」
「そりゃあね…」

サクラといのが冷めた眼で答える。

「ということはつまり、日向でない俺たちはどんなに隠れても気配でバレやすいってことなんだが、そこで!俺が用意したこれを見ろ!」

シャッ!とキバが懐から取り出した紙を見もせず、すぐにサクラが喚く。

「フツーこういうのって侵入する前に渡しとかない?!」
「うるせぇな、お前らここの敷地の見取り、感知出来んのかよ?!」
「…できません」
「…無理です」
「だろ?!」

侵入は簡単(?)だったが、入ってしまうとやはり侵入者を排除しやすいようになのか、感知の効かない術が施されている感覚があった。キバがくれたのは庭も含めた敷地全体の見取り図で、

「あんたね…人さまの家の全体の見取り図を、こうも簡単にね…」
「印がついてるところが比較的隠れやすい場所だ!ヤバイと思ったらその地点へ逃げ込め!」
「…きーてないわよ、どうする?いの」
「はぁ…」
「なァなァ、ここは?何があるんだってばよ?」
「ここか?ここは池でな、ここが庭園だ」
「ふむふむ…」

突っ込みもせず聞いているのはナルト一人だ。

「目指すはここ!」

たすん!とキバが指差したのは、今いる場所から一番遠い庭園のさらに端っこ。

「この辺りから茂みが増えるから近くまで行ったら俺に続け」
「…りょーかい」
「わかった」
「キバ!頼りにしてるってばよ!」
「任せとけ!」

張り切る男子に引き気味の女子、というフォーマンセルが、そろそろと移動を開始した。


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