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「#幼馴染」のBL小説を読む
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クナイとカボチャと先生と

「なんだよー、イルカせんせーってば、一緒に帰りがてら一楽ご馳走してくれてもいーのにィー」

頭の後ろで腕を組んでぶちぶち言いながら歩いているナルトから後れて歩いてくるヒナタが、

「あ、でも…今日は任務だから…個人的な頼み事とかじゃないから…報酬もアカデミーから出てると思うの…」

たどたどしく声をかける。

「あ、そっか!そだった、オレってばアホだな!」

ニシシ…と笑って振り返ると、ヒナタは困ったように笑ったが、すぐにうつむいて曖昧な表情になってしまった。
イルカに言われて生徒への見本になってからずっとヒナタといつものように仲良く過ごせたことが嬉しくて、ナルトはそのままニカッと笑いかけるが、ヒナタは顔をあげてくれない。

「あのさ…」

微妙に空いたままの距離。

「んとさ…」

ナルトは腕を組んだまま、

「このまま一楽で食べてかねェ?オレ、腹空いちまってさ!」

明るい声で言い切った。
ヒナタの目線が上がらないことに、心拍数が増え始める。

「あ…それは…その…」

どんどん小さくなる声と、視線を左右に泳がす彼女。

お願い…さっきみたいに…笑ってくれってばよ…

血管が膨張したみたいに全身の脈を激しく感じる。
どくどくと鳴る音に耳が遠くなったような感覚に陥り、視線に捕らえた彼女の戸惑う様子以外のすべてが霞んでいくようだ。

「あ…」

気づくと、辻にさしかかっていた。

「あの、私っ、こっちから…帰るねっ…ごめんね…ありがとう!」

早口でごにょごにょと言うとヒナタはナルトの返事も待たずさっと身を翻して行ってしまった。
急に誘えば、断られるなんてよくあること。
ナルトは「んじゃあ、しょうがねェよなァ」というように笑ってヒナタを見送った。

小さくなっていく後ろ姿。
走ってゆく彼女の背中で左右に揺れる長い髪が、こちらに向かってバイバイと手を振っているように見えて。

「違げェよ…イルカせんせ…」

ナルトがぽつんと呟いた。

『いいコンビだよ』

ほんのついさっき言われた言葉。

「んなんじゃねェよ…ヒナタはさァ…」

ナルトは少しうつむいた。

「ヒナタは誰にも優しーから…オレにも優しーだけなんだってばよ…」

ほんのわずかに眉を寄せる。

「オレとだけいいコンビなわけじゃ…ねェんだ…ってばよ…」

ナルトは組んだ腕を寄せて、頭を抱えるようにして下を向いた。

「オレとだけ…じゃ…ねェ…んだ…よ……」

絞り出した声に胸が苦しくなって、顔があげられなかった。







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