クリスマスをきみに
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家に帰りお風呂からあがったヒナタは、自室に戻って机の上に置いていたナルトからもらった包みを丁寧に開けた。
本当はこのまま飾っておきたかったのだが、手紙が入っているようなのが気になって読みたくなったのだ。
中からは綺麗なハンカチと、カードが入った封筒が出てきた。
「綺麗…」
ヒナタはハンカチを両手で大切に持つと、机の上にきちんと置いた。真っ白なハンカチには同じ白い糸で繊細な雪の結晶の刺繍が施されている。
「高価いんじゃないかしら…これ…」
お返しを…しなきゃ…
そう思いながらヒナタが封筒からカードを取り出して開くと、仕掛けがついていて音楽が流れ出した。
もう忘れてんじゃねぇかと思うんだけど
ヒナタ、昔、オレにサンタさんしてくれたろ?
オレ、すっげぇうれしかったんだってばよ。
なのに、お返しできてなくてごめんな?
だからさ!
今年はオレが、ヒナタのサンタさんだってばよ!
不揃いな、しかしなんだか嬉しげな字が乱暴に並んでいて、ヒナタは涙をこぼした。
アカデミーの頃だったか、知りもしないサンタを装ってナルトの部屋のドアにささやかなプレゼントを掛けてきたことを今思い出した。
今見ればきっと顔から火が出そうなくらいへたくそな出来に違いない、雪の結晶を型どった金メダル。
『ナルトくんがいいこなのは、サンタさんはちゃんとしってるからね』
そんなようなことを書いたように思う。
『あれのこと?あれのことなの?ナルトくんのサンタさんて…』
涙が止まらない。
『ありがとう…ナルトくん、ありがとう!私のとこにも…サンタさんが来たよ!』
ヒナタは、カードを開いたまま胸にあてて目を閉じ、流れてくる音楽に耳を傾け続けた。
♪We wish you a merry Christmas
♪We wish you a merry Christmas
♪We wish you a merry Christmas
♪And a happy New Year.!!
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