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- ナノ -
れもん
「んーっ、んっんっ!」

大戦の英雄・うずまきナルト氏は、今日も朝からベッドの上で布団を丸めての予習に余念がない。

「.......。」

はぁあ…

「なにやってるんだってばよ…俺ってば…」

我にかえれば虚しい己の姿…。
ばたり、と両手を離し、だらしなくベッドにうつ伏せて横たわる。

「ちっきしょーっ!ヒナタのバカバカバカ!」

思う存分手足をバタバタさせてみてもそれもまた八つ当たりな恥ずかしい姿。

「ちぇーっ…」

観念するように頬をシーツに押し付ければ、だだーっと滝のように流れ落ちる涙。

「なんかやっぱり…納得いかないってばよ…」

ナルトがここ最近毎朝のように励んでいるのは、

「ヒナタのバカ…」

愛しい愛しいヒナタ嬢との初キッスに向けての予行演習。

命懸けの、しかもまさかの本人絶命の危機という衝撃の告白を受けて約一年。長年に渡りこだわり続けてきたサスケ奪還と、それと同時に凍結させてきたかのようなサクラへの初恋、両方の終結を経て、ようやくヒナタの気持ちを受けとめてカップルとなったまでは良かったのだが。
清楚、清純、おしとやか。おまけに家柄も育ちもよいヒナタ嬢は、随分耐性がついたとはいえまだまだ極度な恥ずかしがりや。ようやく抱き締めても気絶しないようになってくれたが、それでも小刻みに震えているのはナルト自身もよ〜く知っている。
しかし、しかし。
健全な男子としては、愛しいカノジョの唇が至近距離、しかも自分の腕の中で発見された日にゃ、思う存分むちゅむちゅしたいに決まっている。

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