「ん…まぁ…な…」
口に出すのも辛いのだろうか、ヒナタはそっと手を伸ばしてナルトの頬をやんわりと撫でた。
「何で…わかった…?」
「ん…なんとなく…」
「いつ…?」
「こっちに気付く前の顔を見たとき…かな…」
ふぅ…
「ヒナタにゃかなわねェなァ…」
目を伏せたまま笑うと再びヒナタを抱き締めた。
「ありがとな」
頬をつけて呟く。
ナルトの身体から強ばりが抜けたのを感じ、ヒナタもようやく安心してナルトの腕に身を任せた。ナルトのほうもそれを感じ、すこし身体を離すと真剣な顔でヒナタを見つめる。
「ヒナタ…」
ナルトの真剣なまなざしに顔を赤くしながらも必死に耐えて見つめ返すヒナタ。
と、ナルトが唇を突き出してきた。
「んー♪」
「!?!!!」
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「ヒ…ヒ…ヒナタぁっ……」
「な…なに?ナ、ナルトくんっ…」
「お、俺たちさぁ…」
ナルトの腕に収まりながらも必死に抵抗するヒナタに思いきり顎を上に押しやられながら、
「俺たち付き合ってんだよなァ〜??」
ナルトが泣きながら抗議する。
「そ…そ…そうだけ…ど…」
「付き合ってんのにちゅーしちゃダメって、どーゆーことだよォ〜?!」
ぐぎぎ、となんとか押し戻そうと頑張るが、力ではついにかなわないとふんだヒナタが点穴を突いたため、ナルトはあっけなく崩れ落ちヒナタを解放する。
「ごめんなさいっ……!ナ、ナルトくんっ…ほんとにごめんなさい…っ…」
目に涙をためて顔を真っ赤にして走り去るヒナタを、追いかけたくとも半泣きで地面にへたりこんでるというこの上もなく情けない姿…。
「ヒナタってば…勘弁してくれってばよ…」
どーしてくれんの?!この姿!
誰か親切な日向一族が通りすがるまでこのままでいるしかないのだろうか?
「俺、明日も早いんだってばよォ〜!」
このままここで朝を迎えるしかないのか?!ナルトは途方にくれ続けたのであった…。
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