たちまち丸まってしまったナルトを見て、ヒナタがくすくす笑う。すぽん、と首だけ出したナルトもニヒヒ!と笑うと、
「ヒナタも来いよ…」
ゆるく微笑みながら囁いた。
「あったけェぞ…」
そっと手を伸ばす。
「暖房が効くのを待つより早えってばよ…」
そっと布団をあげて呼ぶ。
頬が熱くなるのを感じて両手を当てる。皮膚は冷気で冷たくなっているのに、寒くて震えは止まらないのに、急になんだか不思議にふわふわした感覚に見舞われる。
気づくと、ナルトが開けてくれた場所に吸い込まれるようにしてするりとおさまってしまい、ヒナタは自分自身にびっくりして固まってしまった。
そんなヒナタの髪を撫でながら愛しそうに目を細めていたナルトは、ゆっくりとヒナタを抱き寄せると、
「あったけェな…」
ヒナタの髪に鼻先を埋めて呟いた。
「わ、私…冷えきってて…冷たい…でしょ…?」
声が震えてしまうのは、心臓が打つ早鐘のせいか、寒さの震えのせいか。
「ヒナタが…こんなに側にいる…ってジジツが…あったかくてたまんねェんだ…ってばよ…」
同じく震えるナルトの囁きが、あまりに心地よくて嬉しくて、
ヒナタの心がふるりと揺れた。
「ありがとう…嬉しい…」
きゅうっと目をつぶり囁いてみる。
「オレも…ありがとう…嬉しい…」
ナルトの腕の力もきゅうっと締まる。
「なァ…」
どこか遠く聞こえてしまう、もう息のだいぶ多い囁き声。
「このまま…眠っちま…い…てェ…」
「うん……でも…それ…は…」
悪いよ…と続けたいのに、もう唇がわずかに震えただけで。
ゆるゆると二人は眠りに落ちていってしまった。
ゆるく、かたく、抱き締めあったまま…
唇と頬に、同じ微笑みを浮かべたまま…
並んで星を見上げていた時と同じ自然な様子で、無邪気に寄り添いあったまま…
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