「微笑む常夜灯」より


「ええ! そうなんですかお兄さん……!」
 なまえは吃驚して心の中で呼んでいた徒名をついぽろっと口にしてしまった。
「お兄さんですか……」
 途端に何故かどよんと落ち込む透に、どうしよう勝手に徒名つけちゃったからかな……! となまえがおろおろしていると、梓は堪えきれないように吹き出した。
「あはは、……なまえちゃん、こう見えても安室さん私より年上よ」
「うそ!? だって肌すべすべだし、」
「ほんとよ。二十九歳って貰った名刺にも書いてある筈だわ」
 手元に視線を落とせばなる程、確かに二十九歳と書いてある。
「いいんです。年相応に見られることはなかなかないので……」
 どこか哀愁を漂わせる透に、なまえは必死で平謝りするしかなかった。

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