(リメレグリ)
※リメグリーン→リーフ

いつもあけっぴろげなその様に鬱陶しさを感じていたはずだった。単純で扱い易い性格は、馬鹿だなと内心嘲笑いながらもそれが奴の本性だと信じて疑わず、毎度毎度突っ掛かられる度叩きのめしては見下していた。幼馴染の関係としてはなんと冷めた間柄だっただろうか、だから今目の前に対峙するリーフの俯く先に見える色が、自分には何一つとして分かるはずもなかった。(何も映さない瞳に恐れを抱いたなど、嘘であってほしい。)



(ユウダイ)
何処に行ったかと思ったから、ボーマンダ飛ばして探しにきたとあっけらかんと言ってみせたまだ幼い彼の顔には少しの焦燥と少しの安堵が交差するように垣間見えた。ごめんねと謝罪の言葉を述べる前に力強く引き寄せられ、時の流れを確かに感じずにはいられないのは年のせいか。ぼやいてみればプリムさん辺りに怒られますよ、とたしなめられる。二人で笑えば、遠くの方でポッポが大きく羽ばたいていった。



(ヒビライ)
勝てなかったという一言だけで、こんなにも自分の胸が締め付けられることを彼が知ることはない。暗い瞳がようやくこちらを見た時、どきりと心臓が鳴った。あんなにも背中を追いかけていたはずなのに、いつの間にか追い越してしまっていたのか。彼が自分を追ってくれることはない。見つめられることに耐え難くなって、今度はこちらから目を逸らした。平行線のまま、交わることはこの先もないのだとむこうで誰かが笑った。



(主♂N)
陽光に朝を告げられてゆっくりと見を起こす途中で、まだ隣で眠る存在に気づく。背を丸めて縮こまる癖にも慣れた。規則的な寝息は穏やかすぎて、昨晩致したことさえもその純粋さに掻き消されてしまうほど。ただ一つとして残っていないというのもこちらとしてはなんだか癪なので、悪戯心から首筋に吸い付けば身動ぐ様にほくそ笑む。さてどうしてやろうかと思案しているうちにきっと目を覚ます彼は、いったいどんな表情を見せてくれるだろうか。


(:20130124)
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