▼2014.03.10(Mon) これはただの憂鬱です(森早)
例えばこのシーツに横たわる森次さんの、男性らしさは残しつつも色白さは女性のものと錯覚してしまいそうな首筋に手をかけたとして、穏やかな彼の息の根を止めたとしても明日の自分には何ら影響を及ぼさないのだろう。どれだけ深く彼と混じり合ったとしても、どれだけ彼と解り合い繋がったとしても。
どちらかが女であって、自分と彼の間で生まれたものが生産的なものであっても変わらないであろう結論は、ある意味自分達の辿り着く先なのだろう。碌に悲しみもせず、未来へ減速することなく歩きだしてしまう。
自覚して感じたのは寂しさではなくつまらなさ、十数年しか生きていない身でもう終わりを見つけてしまったようで虚しさがこみ上げた。好きだと思う気持ちに嘘はひとつもないのだと信じていたのに、それさえも否定されているようだ。
幼い頃に聞いたことがあるだけのポップスのメロディがふと蘇る、そういえばあの歌の歌詞にもこのワンフレーズが入っていた。
「――愛してるなんて、嘘ばっかり」
安いメロドラマの台詞のようにも聞こえて、胸糞悪さに反吐が出る。途端に指先から冷えていくような錯覚を覚えて、深く布団に潜り込むことで誤魔化した。


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