Act.16.5



広間でワイワイ騒ぐ馬鹿共を見てると頭が痛くなって来る。だが今日はチャイナ娘な誕生日だというもんだから仕方がない。

叱りたいのは山々だが今日だけは我慢。

昼間に山崎からはるが何かしでかそうとしていると聞いてすぐはるの部屋に向かったがいつもうるさいはるが静かに輪っか作りに集中してんのを見るとパーティーを潰すのは可哀想かと思えた。

今日だけは、と思いながら近藤さんにお願いしたら近藤さんは軽々しく了承してくれた。

まあ今日のパーティーは皆公認、ってことだ。

それなのに日が暮れても万事屋共が来る気配はない。どうしたもんかと思いはるに聞けば都合があったという。

万事屋にお願いするのなんかすげえ腹が立つが仕方ねえ。今回だけだ。


「おう」

『ああー?大串くんから電話なんてなんのつもり?』

「…今日お前んとこのチャイナの誕生会とかやってやるから来いよ」

『は?』

「〜だから!チャイナの誕生会すっから、来いって、」

『なんでだよ、やだ』

「……はるが楽しみにしてたんだよ、チャイナの誕生会するって。部屋も飾ってケーキも買って、待ってんだ」

『そういえばさっき電話きたっけな」

「分かったら来いよ」

『…お前のためじゃなくてはるのためだからな。勘違いすんなよ」

「分かってるっつの」


それからすぐ電話を切って、その数分後に息を切らした万事屋とチャイナと眼鏡が訪れた。

なにも走ってくることはなかっただろうよ。


まあなにはともあれ、はるが楽しそうで何よりだ。



Act.16.5 誕生会な裏事情
(優しいですねィ、土方さん)

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