Act.15
「トリックオアトリート!」
「お!はるちゃんは……なんの仮装?」
「失礼な。近藤さんですよ」
「え!?俺そんな毛深いの!?」
「落ち着け近藤さん。よく見てみろ、アレはゴリラだ」
「落ち着けない!!」
ハロウィンはなんの仮装をしようか迷いに迷った挙句、近藤さんこと、Gorillaにした。みんな似てる〜って言ってくれるからやったかいがある。
朝なんか隊士皆に『おはようございます局長!』って敬礼されたもん。すごい似てるんだね。
「あ、おはようございます局長」
「おう、おはよう山崎」
「あれ?なんか声高くない?ていうか小さくない?いつもより少しだけ…毛深い?」
「少しだけじゃないよね!あれかなり毛深いよね!?…泣いていい?」
いきなり泣き出した近藤さんに慌ててペコペコ頭を下げる山崎さん。
「ねーどうでもいいからお菓子くれなきゃ悪戯するよ」
「あ、ああお菓子ならあるぞ。はるちゃんは行事が好きそうだからな。来ると思って準備しておいたんだ」
「俺からも。ハイ。」
「近藤さん…山崎さん…!大好きだ!」
抱き付いたらハハハと笑って頭を撫でてくれる近藤さんと山崎さん。近藤さんはなんか便所臭かった。
「土方さんは?お菓子ないの?」
「…ほらよ」
ズボンのポケットに手を突っ込んで取り出したのは飴玉三個。さすが土方さん。
「ありがとさん。じゃ、あたし沖田のところ言って来るわ。」
「…お前いつからそんな見下すようになった。総悟に言うぞ」
「ごめんなさいほんとそれだけは勘弁して下さいほんと。死にたくないんですううううう!!!!!」
「必死!すごく必死!総悟普段はるちゃんになにしてんの!?」
近藤さんがあたしの必死さにびっくりしてた。だってほんとに死にたくない。
とりあえず土方さんには絶対言わないで下さいと約束してから沖田さんのところに向かった。
「おーきったさん。」
「なんでィ」
「トリックオアトリート!」
「ガキ」
「ううう…うっ、ひっく、」
「猿芝居してんじゃねぇや」
芝居がばれたから目薬を服の袖で拭ってもう一回トリックオアトリートと言い直した。
「あんま太るんじゃありやせんぜ、雌豚」
「泣きそう!!!でもありがとう!!」
「いちいちうるせぇその団子潰すぞ」
「いやんやめて」
冗談でセクシーに言ったら沖田さんが刀出したからダッシュで逃げた。すごいよあたし。早かった。たぶん今ならボ○トに勝てる気がする。
…さてと。今日の収穫は…。
隊士の方から貰ったお菓子が十数個。
土方さんから飴玉三つ。
近藤さんからチョコレートとクッキーとケーキ。
沖田さんからお団子3本。
なかなかの収穫だなふふふ。
「今夜はオールナイトォォォ!!」
Act.15 痩せればいいもん
(あいつオールで全部食う気か)
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