Act.9



「ほんとに!?」

「…ああ」


目の前で不機嫌そうな土方さんを横目にあたしは喜んだ。


「ついに!ついにこの日がきた!」


巡察同行許可がおりましたァァァァァ!!なにこれ嬉しい!


「五分で準備しろ」

「はーい」


いつもなら五分なんて無理だ、って怒るところだけど今日は勢いに任せて準備ができるような気がしたんです。

そんで部屋に戻って準備するじゃん?乱れてはいるものの準備は出来た。


「…一分だけ時間やる。身だしなみを整えろ」


明らかに眉間にシワを寄せる土方さん。あんだが五分って言ったんでしょうがァァァァァァ!!とは思ったが口には出さず素直に直した。


「直しました!行きましょ行きましょ!」

「うざいったらねぇや」

「残念ですが今日のあたしは機嫌がいいので沖田さんの戯言に付き合いきれません。本当にすみません!」

「そうですかィ。んじゃ、遠慮なく」


そう言って沖田さんはバズーカを構えた。ちょっとまて。


「そそそそそれはちょっと勘弁して欲しいかなぁ。ちょっとやめて欲しいなぁ」

「ただの戯言なんで気にしないでくだせェ」

「ごめんなっさァァァァァい!!」


その場で勢いよく土下座したあたしを見て沖田さんはバズーカをしまってくれた。

ここまで10分かかりましたよ!はるちゃん限界!早く外に出たい!


「もう早く行こうよー」

「んじゃ、行きやすか」

「やったやった」

「きしょいからやめろブス」

「泣くぞ」

「いいですぜィ、泣きなせェ」


ああそうだこの人ドSだったねはいはい。

もう諦めます。自分を可愛く見せるのは諦めますから早く行きましょう!

と、いうわけで外に出たわけですが、いやこれがもう…クソ楽しい!!


「土方さぁぁん!ここ入りたいです!」

「わああ沖田さん!これ何ですか!?」

「あっ、そこの隊士さん、あ山田さんねはいはい。山田さん、金貸してくんね?」

「あっ!沖田さん!アレはなんです?」

「土方さん見てくださいよこれ!」


いやもう、遊園地なんかより楽しかった!!

駄菓子屋とかさ、マジの駄菓子屋でもう興奮。土方さんがたくさん買ってくれた。あざっす!


「ああー楽しかった!」


そして無事屯所に帰宅。



Act.9 街自体がテーマパーク!!
(また連れてってくださいね!)
(好きにしろ)

|

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -