Act.8



「トシ!」

「お前にトシって言われたら腹立つ」

「うっうっ沖田さぁん!土方クソヤローがいじめるっうっうっ」

「その泣き真似が余計に腹立つ」

「…なんか土方さん今日冷たい」

「そうしてんのは誰だ」

「あたしだ」

「正解だ」

「またやられたんですかィ」

「暇を持て余した」

「神々の」

「遊び」


ナイス沖田さん!と言いながら親指を立てたらものすごい殺気を感じた。


「うるっせぇぇぇ!オメェはさっさと見廻り行って来い!」

「あらやだこわい」

「これだから死ね土方」

「意味わかんねぇよさっさと行け!」


そろそろ爆発しそうだったので仕方なく土方さんの部屋から出た。

沖田さんは見廻り(サボり)行くらしい。


「沖田さんあたしも見廻り行きたい行きたい行きたい」

「……」

「…ちょっと歩きながら寝るのだけはやめてくれません?それだけはやめてくれませんか?」

「うるせえぞ貧乳」

「よせてあげてBはありますぅぅぅ!」

「ちっせ」


確かに小さいけど!小さいけど気にしてるんだからやめてくんない!?結構傷付くんだよちきしょー!


「で、沖田さん。あたしも見廻り連れてって」

「ああ今度な」

「今日」

「俺の言う事が聞けねぇんですかィ?」

「待ってまーす!」


なんで誰も見廻り連れてってくれないの!?あたしここに来て外に出た事あまりないよ!

別にいいけどさ、楽しいけどさ、むさ苦しいんだよ!!!!美女の乳に顔を突っ込みたいお年頃なんだよ!!


「んじゃ、行ってきやーす」

「いってらー」


沖田さんを見送ってから何をするかと頭を悩ませた。

山崎さんは確か朝から居なかったし原田さんは稽古だしー、その他隊士ももちろん稽古で、土方さんには追い出された。

あ、ゴッリーラ!


「近藤さぁぁぁぁぁん!」


スパーンッ!!…ガッタン


「ちょっとはるちゃぁぁぁん!?」

「…てへぺろ!」

「んもー、障子は静かに開けてって言ってるでしょー」

「ごっめーん!」

「…謝る気無いでしょ君」

「ゴッリー!」

「……」


ちょっと冗談言ったらマジで泣く3秒前だったから慌てて訂正した。


「今日はどうしたの?」

「いやー誰も居なくて暇だからねー」

「そうか。でも俺も相手にしてやれんなぁ」

「えー、なんでー?」

「始末書まとめたり、書類片付けなきゃいけなくてな」

「そっかぁ。じゃああたしここで見てる。」

「…見てても楽しいもんじゃないよ?」


いいよ、と返したら近藤さんが二カッと笑ってここに居る事許してくれた。

さすが近藤さん!


「……」

「……ウホッ」

「……グスッ」

「ごめん」

「いいよ」


たまーに一言二言交わすだけで近藤さんはとても集中している。

集中してる近藤さんかっこいいなー、とか思いつつうとうとしてきた。そして案の定プツンと意識が途切れたのはその数分後の事。


こう言う日もたまにはいいんでないの?



Act.8 ゴリラとお昼寝
(寝ていれば可愛いもんだなぁ)



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