Act.6


「ひまー」


真選組に来て暫く経ち、慣れ親しんだ今日この頃。暇だと嘆くあたしを相手にしてくれるのは、

揺れるねこじゃらし。

沖田さんがアイマスクを着けながらねこじゃらしを適当に揺らす。あたしは猫かって。

でもこんな静かでゆっくりな時間も結構好きだったりする。


「みんな何書いてるの〜?」

「隊長に聞いてください」


沖田さん聞いてくれないもん。

皆してスラスラスラスラ筆を動かすもんだから誰も相手にしてくれない。猫じゃらしも飽きた。沖田さん観察も飽きた。


「あー…おっぱい揉みてえ…」


ふと出てしまった呟きに今まで静かだった部屋になんとも言えない音が響いた。

ブッて吹き出す人も居ればガタンガタン崩れ落ちる人も居る。

そしてあたしの頭をパコン、と叩く人も居た。


「痛いです土方さん」

「テメェは馬鹿な事言ってねぇで自分の仕事しろ」

「おっぱい揉む仕事とかないのかなー」

「牧場行け牧場。そんで帰ってくんな」

「いや、牛の乳は柔らかすぎんだよねー。あたしは男の乳を揉みたいんだ!!」

「何そのカミングアウト!?」

「山崎さん居たの」

「…もういいです」


落ち込む山崎さんを冗談だってー、と言いながらパチ、と叩いた。


「あたし土方さんの乳が1番好み。土方さんになら抱かれてもいい」

「しね」

「ひどい!」

「つまんねぇ事言ってねぇで仕事しろ」

「終わったもーん。あ、あたし沖田さんの乳触った事ねぇや!」

「おい」


土方さんを軽くシカトしながら沖田さんに向き直った。

アイマスクをつけてぐーすか寝てる沖田さん。ねこじゃらしを揺らして居た手もだらんとだらしなく垂れている。

これは、いける。


「沖田さんの乳はもらった!」


ガシッ、と沖田さんの乳を揉んだ。はずだった。

流石は沖田さんと言ったところか、腕を掴まれそう簡単には行かなかった。


「殺されてぇんですかィ、雌豚」

「すみませんでした」

「分かればいいんでさァ、分かれば」


ちくしょう!あと少しだったのに!沖田さんのばかちん!ちん

つまらない事を考えて居たら土方さんが立ち上がった。


「どこ行くんですか?」

「…巡察だ」

「んじゃ、あたしも行きます」

「オメェは行かんくていい」

「行きたいです」

「来んな」

「行く」

「だめだ」

「行」

「だ」

「く」

「め」


行く、だめ、の言い争いをした結果。


「ちくしょう!あたしも行きたかったのに!」


負けました。


「まぁまぁはる、落ち着いて昼寝でもしやしょう」

「…なんか企んでそうなので嫌です」

「いいから来なせェ」

「 い や で ちゅ 」

「 コ ロ ス 」

「ひぎゃぁぁぁぁぁぁぁあべしっ」


数秒もしないうちに呆気なく捕まったあたしを見て溜息をついた隊士達。なんだその溜息は。

はるちゃんおこだぞ。


「はる」

「なぁに、沖田きゅん」


ガッ


「い…ってぇぇぇぇぇぇ!痛い痛い痛い痛い!鼻!鼻!いだいぃ〜!!」


こいつ鼻フックしやがった!コンチキショー!!!痛ぇ!今までにないぐらい痛ぇ!

その上洗濯バサミで鼻摘まんできた。外したくても外せない。

もうだめしぬたすけて


「ひっひっ、ひじかたさぁぁぁん!」

「土方さんはいやせんぜィ?」

「うぐっざ、き!山崎さぁぁぁぁん!」


水秒後痛い痛いと嘆くあたしの元に山崎さんが現れて無事助けられました。



Act.6 ピーポーピーポー犯罪です
(大丈夫?はるちゃん)

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